自転車に注油をする時のポイント

『今さら人に聞けないシリーズ』です。注油に関する基本の『き』編です。

「ご自身で定期的にやっていただきたい自転車のメンテナンスは2つあります」とお客様にアドバイスをするようにしています。一つ目が『空気を入れること』。そして、もう一つが今回の『注油』です。特にギア付きのスポーツサイクルの場合、注油はとても重要なメンテナンスです。もちろん、ショップにお願いして作業をしてもらってもいいとは思いますが、頻度の高いメンテナンスですので、自宅でご自分で行う習慣を身に着けていただいた方が本来は理想的です。

⇑写真は「錆びたチェーン」、注油を怠るとこうなりますよ…

それでは実際にどうしたらいいのかというと、初心者の方を基準にお話しすると「チェーンに1か月に1回、注油をすること」を行っていただければOKです。ただ、屋根なし屋外保管の場合はもう少しマメな注油が必要になってくると思います。※雨ざらしの自転車の保管方法は決して推奨はしません。

基本、『チェーンへの注油』だけを行っていただければ大丈夫です。もちろんチェーン以外への注油も必要になってきますが、定期点検(6カ月~1年に一度の)のタイミングで注せばいいところが多いので、その辺りはショップに任せて、初心者の方でしたら、まずはチェーンへの注油の方法を覚えることが重要です。

ちなみに当店のチェーンへの注油の料金は300円(税別)です。1,000円~2,000円程度で、そこそこの内容量のチェーンオイルが販売されていますので、ランニングコストとしては、チェーンオイルを購入してご自身でされた方が絶対にお得です。

写真はキッチンペーパーを使ってます。

注意点としては、オイルがリム面やタイヤに付着しないように、ウエスやキッチンペーパーなどでチェーンを覆って、周辺に飛び散らないようにすることです。特にスプレイ式の場合、そのまま吹きかけてしまうと「リム面」や「タイヤ」にオイルが付着してしまいます。「リム面」にオイルが付着するとブレーキの制動に悪影響があります。「タイヤ」はゴム製品ですのでオイルによって傷めててしまう可能性があります。

チェーンにオイルを十分に注したら、少し浸透するのを待って、最後に余分なオイルをふき取る、といった流れの作業です。拭き取らないと、走行中にオイルが飛び散って、結局リム面やタイヤに付着してしまいます。

ついつい回る所に油をしたくなりますが…

参考までに、チェーン以外の注油箇所について。基本的な覚え方として、回転する箇所(ハブ、ボトムブラケット、ヘッドまわり、など)には原則注さない方がいいでしょう。回転部分は、内部に固い油脂類(一般にいうグリスなど)が塗布されているので、外から液状のオイルを注してしまうと、内部のグリスを溶かしてしまうことになります。チェーン以外に注す場所としては、ケーブル類、稼働パーツのリンク部分などです。

「エバース(左)」「フィニッシュライン(右)」、常時在庫有ります

チェーンへの注油は「自転車専用のチェーンオイル」を使いましょう。いろんなメーカーがあるので、どれを選ぶかはお好みでいいと思います。「ドライ」と「ウエット」の2種類をラインアップしているメーカーをよく見かけます。なかにはセミウエットタイプといって中間的な性質のものを作っているメーカーさんもありますね。応急処置として、一般の機械油も使えますが、やはりチェーンには耐久性のある専用の製品を使うことをおすすめします。

どちらのタイプを使うかは、自転車に乗るスタイルの違いで使い分けましょう。

「ドライ」タイプ…さらっとして汚れにくい仕上がりになるので、こちらのタイプの方が一般的に使い勝手がいいかと思います。街乗りスタイルの方は基本「ドライ」タイプですね。スポーツユースの方でも「ドライ」タイプを使っている方の方が多いですね。ただ、あまり長持ちしない性質ですので、こまめに注すことが重要です。

「ウエット」タイプ…テカテカした光沢のある仕上がりになります。耐久性のある性質が長所ですが、汚れやすいのが難点です。街乗り派だと服がチェーンに触れたりするとかなり汚れますね。雨の中をよく走る方や1回に200㎞クラスのロングライドをされる方など、ハードな乗り方をされる方には支持されるタイプです。

当店でも店頭で扱っていますので、詳しくはお問い合わせください。