『人見街道』と『自転車』と『道の話』

自転車で走りやすいとは言えない人見街道。むしろ自転車にとっては「酷道」といってもいいくらいです。車の運転でもかなり気を使います。抜け道として利用する車が多く時間帯によっては交通量もけっして少なくありません。走りやすくない一番の理由はその「狭さ」。おまけに直線的な道でなく、曲がりくねっていて見通しの悪い区間も多くあります。

近年の区画整理から取り残された残念な道路ではありますが、趣のある捉え方をすると「古く歴史のある道」なのです。昔ながらの道、それ故、この「狭さ」、仕方がないことでしょう。杉並・大宮八幡と府中市八幡町を結ぶルートで古くからの参道としての役割が人見街道の発祥とされています。並行して走る東八道路が広くきれいに整備されているので、いまさら人見街道の区画整備は期待できませんが、せめて電柱だけでも地下化してくれないですかね。

自転車にとっては路肩が広く整備された道路の方が確かに走りやすいに違いありません。一部の「歴史のある道」好きな人(や古道マニア)しか賛同してくれないかもしれませんが、個人的にはこういう走りにくい道って「風情」があって案外好きです。この手の道沿いには、史跡や神様仏様系の云われのありそうな祠的な物が多く残っています。こういった類の物って、道路を整備しようとしても簡単には移動させられないケースが多いようで、そこを避けるように道が通っていたりします。路面の勾配や道路がカーブしている理由を地理的&歴史的観点から考察するとおもしろいですよね。上り下りもそうですが、こういった道の状況を実際に体感し易いのが自転車で走ることの一つの楽しみだと思います。

サイクリングルートでマイナーな「林道」や「古道」を地図を見ながら探す時には神様仏様系物件の目印はかなり需要です。コンビニやGSも代表的な目標物ですが、廃業等で無くなってたり、移転していたり、新規開店していたりで、意外と不変的な目印ではありません。その点では神社やお寺などは滅多なことでは場所が変わらないので、特にグラベルライドやトレイルライドなどで目指す道の入り口を探す時の目印として非常に役立ちます。「神社が見えたら1本先の道を左に曲がる」といった目印として私はよく使います。

ということで、人見街道が直線的な道でないのは古くからの道がそのまま残っているからなのでしょう。バイシクルサポートの所在地は「人見街道と東八道路最接近場所」のすぐ近くです。そこにある「玉川上水沿いの大ケヤキ」も古くからの「云われ」があってがたぶん簡単には伐採できないんじゃないかと思います。根元になんか古そうな庚申様の祠が祀ってあるし…。コレを避けるように両側の道路(「人見街道」と「東八道路」)が通ってますよね。東八道路開通に合わせて、セブンイレブンは移転したけど、祠はそのままです。

庚申様の祠。移転直後のためコンビニの看板が2つ。

※当店への自転車でのアクセス方法のご案内

お店横(三鷹側)の側道は、「東八道路」につながってます。車では通り抜けできませんが、徒歩&自転車なら通り抜けできます(ショップ情報のページに詳細地図あります)人見街道を避けてアクセスしたい場合には東八道路からも自転車なら通れる路地があります。