コンポーネントの載せ替え

今回はコンポーネント載せ替え作業のご案内です。「コンポーネント」とは自転車を構成する部品一式のことですが、一般的には「ブレーキ回り一式…ブレーキレバー&ブレーキキャリパー」と「ギア周り一式…シフトレバー、リアディレーラー、フロントディレーラー、スプロケット、クランクセット、ボトムブラケット、チェーン、(+ホイール)」を指す用語です。そして、フレームとコクピット回り(ハンドル、ステム、ヘッドパーツ)とサドル回りの部品を合わせて自転車が構成されています。

「コンポーネント」メーカーとして最も有名なのは、おそらくほとんどの方が知っている日本の「シマノ」。その他だと「カンパニョーロ」「スラム」などがメジャー。そして車種のカテゴリーごとに「グループ」がラインナップされています。ロードコンポの「シマノ・105(イチマルゴ)」「シマノ・アルテグラ」「シマノ・デュラエース」などと言ったモデル名は聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は互換性の解説は割愛しますが、自分の自転車に何が使えるのかどのサイズを選べばいいのか互換上どの組み合わせが正しいのか、その辺りを確認して「コンポーネント」を選ぶ必要があります。

当店の105コンポーネント載せ替えオーダーシートのイメージ

完成車で自転車を購入すると、ロードバイクの場合「シマノ105仕様なら15~20万円」といった感じでおおむね相場によって採用されているコンポーネントが決まっています。もちろん、フレームがカーボンかアルミ、ディスクブレーキかリムブレーキ、などの要素でも価格帯は変わってきます。

  • クラリス
  • ソラ
  • ティアグラ
  • 105
  • アルテグラ
  • デュラエース

「シマノ」のロード・コンポーネントのグレード順です。「デュラエース」が最高峰グレードです。「値段がかなり違うけど、何が違うの?」って聞かれると、一言で説明できませんが、簡単にお答えすると「性能が違います。グレードが上がるほど当然よくなります。」ってことです。現在ご自身のバイクはどのグレードでしょうか。「コンポーネント」を上位モデルに載せ替えることで、自転車のパフォーマンスは当然良くなります。

「ソラ」がついているけど、「105」に載せ替えてグレードアップしたい、といういことが可能な訳です。

それと「コンポーネント載せ替え」の目的として多いのが、「メンテナンス」や「オーバーホール」をしても無理なケースです。とくにギア周りなど長く乗っていると部品自体が削れて摩耗してきます。ケーブルやチェーンなどの消耗品を交換しただけでは回復しないことも。そういった場合は「コンポーネントの載せ替え」作業が必要になります。

また、古いMTBクロスバイク(2~30年前の7段や8段仕様)のレストア作業として、載せ替えるケースもよくあるご相談です。この場合、比較的安いコンポーネントのカテゴリーなので、コンポ一式+工賃で3~5万円で可能なケースも多いです。ちょっと思い入れのある自転車だったりするので、新車の買い替えと比較しても妥当な費用なので、検討される方がいらっしゃいます。

載せ替え作業工賃…基本、個別見積もりです

さまざまなケースが想定されるので、実車を拝見してから、お見積もりさせていただきます。(参考)ロード系なら2.5~3万円、クロスバイクなら2万円前後、が作業工賃の目安。いずれも 油圧ディスクでない 場合。

≪只今、キャンペーン中‼≫

※「105」以上のグレードコンポーネント一式を当店でお買い上げの場合⇒作業工賃がサービス価格になります。

  • デュラエース一式購入時工賃⇒10,000円
  • アルテグラ一式購入工賃⇒10,000円
  • 105一式購入時工賃⇒12,000円

(税別)

注.いずれもリムブレーキ標準仕様の場合です。油圧ディスクや特殊な内装ケーブルルーティンの場合は別途費用あり。

ギア比について、あれこれ。

オーダー車やセミオーダーシステムの完成車でない限り、購入時には選べません。その自転車の用途やメインターゲットのユーザー層を想定してアッセンブルされています。

ギアの歯数の組み合わせ変更は、よくご相談を受ける作業の一つです。個別のカテゴリー(例えばロードレーサー/シマノ2×11段の場合など)に限定すると解説するポイントが絞れますが、自転車全般のギア構成となると、いろんな周辺パーツの基礎講座から学ばなければなりません。いわゆる「互換性」が多岐に派生して行きます。興味ある方はコツコツと調べてみましょう。

ということで、全てだと大変な解説になってしまうので、今回は基本的なポイントを箇条書きで。

■ギアの段数によって制約があります。

シングルギア、内装or外装、1×〇段、2×〇段、3×〇段、etc.

基本、同じ段数の部品の中で選ぶ必要があります。ただし、モデル(異なるメーカー、構造の違い、など)によっては同じ段数でも互換性がなかったりします。また、段数自体を変更する場合はもちろん全交換が基本ですが、どこまで互換性に影響を受けるかで必要な費用が大きく変わります。

■車種のカテゴリーによって制約があります。

ロードレーサー、マウンテンバイク、普通の自転車、etc.

フレーム設計時に使用するコンポーネントカテゴリーが想定されています。逆に言うとコンポーネントはフレーム設計を基に作られています。チェーンライン設定やフロントチェーンリングの大きさのクリアランスやリアエンド幅(形状)などが影響してきます。クロスバイク小径車など折衷的な設定がされている場合があったりして、複雑なケースもあります。

■キャパシティ(歯数の組み合わせの限界)があります。

多段ギアでの場合ですが、リアディレーラーが作動できる歯数の範囲があります。単純にリアディディレーラーが対応するロー側最大の歯数トータルキャパシティといわれるフロント多段の場合の限界値。また、フロントディレーラーも対応するチェーンリングの歯の大きさの範囲が設定されています。ただし、フロントは現実的には、楕円ギアだったり、サードパーティの特殊な大きさだったり、範囲外でも何とか調整せざるを得ないケースもあったりします。

※トータルキャパシティ=(フロント最大ギア-フロント最小ギア)+ (リア最大ギア-リア最小ギア) 。例えば、フロント50-34T×リア11-28Tなら(50-34) +(28-11)=「33」がトータルキャパシティ。

■そもそも自分に適正なギア構成は?

  • 自転車を使用する目的
  • 体力・脚力でかなり個人差があって正解はない
  • 漕ぎ方のスタイル
  • 基本は車種にあったギア比の範囲で

といったところでしょうか。単純に「登りがつらいから軽いギア比が欲しい」はプランが提案し易いです。ただ、スピードを出したいといった場合(小径車以外で)、ギア比はペダルの回転数と密接に関わってきますので、まずは自分のペダル回転数を見直してみるのもいいかも知れません。※その場合、ペダル回転数計測できるメーター必須。

ギア回りの交換作業のご相談のご依頼は…

まずは現状の実車を拝見させていただいた方が助かります。オーソドックスなケースは判断し易いのですが、変則的な場合「メーカーさんの提供している規格データ」&「対象の自転車のサイズ規格」を確認しながらのお見積り作業になります。

ロードバイクのパーツをグレードアップする目的

入門クラスの初めて買った『ロードバイク』。デフォルトの仕様で乗りだしたけど、雑誌やインターネットの豊富な情報を見ていると、いろいろとパーツを替えてみたくなってきますね。そんな方にアドバイスです。何を基準にパーツを替えたらいいのかをまとめてみました。

★とにかく欲しい!!

まずは、モチベーション。いろいろ吟味して選ぶ場合もありますが、初心者の場合、自分が気に入ったパーツをまずは試してみましょう。とは言っても、あまりにも方向性が違ったらパーツが生きてこないので、最低限は調べてくださいね。

★見た目のカッコよさ

やっぱり、自分の自転車をカッコよくオシャレにしたいですよね。カラーリングを含めて見た目が気に入ったパーツを選ぶことも満足度に繋がります。一応、セオリー的なこともあります。「最近のカーボンフレーム…黒系の部品が似合う」「クラシカルなフレーム…シルバー系の部品が似合う」とか。また、採用する部品メーカーの組み合わせも、「チームレプリカ的考察」「ハンドルとステムは同じメーカーの同じモデルだとデザインが揃う」などなど。ただ、こういったセオリーにこだわらなくても、センス良く仕上げているバイクの方も多くいらっしゃいます。「自分なりのこだわり」でパーツを選んでみましょう。

★乗り手とのマッチング

初心者の方の場合、経験的な判断材料がどうしても少ないので、前述のように気に入った部品を試す感覚でパーツのアップグレードをした方が、満足度は高いかと思います。ただ、経験とともにパーツの特性を理解してくると、「乗り手の特徴=パーツの特徴」が噛み合っていることが、パーツ選択のポイントとして重視されてきます。

「このパーツで走った感じいいね」の感想でも人それぞれ「いいね」の基準が違います。「速く走りたい人」と「のんびり走りたい」とでは、当然パーツに求める要素も違ってきます。

「乗り手」とのマッチングを一覧表にすると、
こんな感じでしょうか。

例えば、「速く走りたい」目的なのに、「ブレーキ」を交換しても直接的には成果につながりません。初心者なのでビンディングペダルを使っていないという場合、ビンディングペダルを採用するだけでかなり効率的な走りができます。自分が不満を感じていることにフォーカスしてグレードアップしていくことが重要です。

★コストパフォーマンス

実際に採用するかの判断の基準になるのが対費用効果でしょうか。特に、「軽さ」「剛性」「速さ」あたりを求めると、乗り物の世界、すごくお金がかかります。選手供給しているようなハイエンドパーツはメーカーの開発コストもかなりかかってますし、自分で購入して使用する一般ユーザーにとっては大変です。

★家族の理解

そして、最大の難関がコレだったりします。お客様から「パーツ替えたこと家族に内緒にしといてね」とか「家族から、自転車の部品でなんでこんなにお金がかかるのって、言われた」等々の声をよく聞きます。趣味の世界、何でもそうですけど、実用の世界の基準と比べられるとつらいですね。

ロードバイクのパーツのグレードアップでご相談がありましたら、お気軽にご相談ください!!(もちろん、他の車種も)

「メーカーのセールスポイント」「雑誌やインターネットの情報」などの一般的な情報。「自分の経験値」「周辺(お客様や取引先の方々)からの実際の」この辺りの情報源があるのがショップならでは強みですので、一般的なインプレ論と経験的な感想は分けてお伝えするようにしています。