通販などで購入した「新車」の整備承ります

近年は車体(完成車)もネット通販で販売している自転車メーカーが増えつつあります。もちろん今でも大半は専門店の店頭を訪れて商談をして購入されるケースがほとんどですが、一部で最近は販売店を通さずに「自転車メーカー」→「ユーザー」直接の業態を取っている流通も見受けられるようになってきました。

通信販売という商業形態がメジャーになったこの時代でも、自転車の「車体」購入に関しては「店頭販売」がまだ主流であることに変わりはありません。車(自動車)の購入もまだそうですね。大きな理由一つは「整備が必要な乗り物だから」「乗り物ゆえ整備が必要だから」といった商品の特性があるからでしょう。やはりこの点は実店舗で購入する方が安心感・メリットがありますね。整備面でのユーザー負担を軽減するため、大手販売店さんだと「ネットで注文」→「店頭(実店舗)で受け取り」の体制をとっているところもあります。

当店にお持込みがある「新車」整備の相談も多くが通販で購入された自転車です。そして整備面で困ったことがあるといった相談内容がほとんどです。

購入ルートは主に以下のようなケースなどがあります。

■直販型メーカーで購入

海外スポーツバイクメーカーでそもそも販売店を通さない販売業者。基本、整備済でユーザーに納品される商品なので、整備面での知識がある中上級者ユーザーなら困ることも少ないとは思いますが、そうは言っても初級ユーザーにはそれなりに難易度が上がります。カーボンバイク、ディスクブレーキなど取り扱いが難しい部品仕様が増えてきているので、そういった面でも整備面で不安があるとの声をよく聞きます。最近人気の「キャニオン」社製品などが代表的。

■自転車専門店でない販売業者から購入/2次流通品のケースも含む

リサイクルショップ(新古品含む)、新規参入色の強い自転車業界外の業者、当選品などで景品業者から納入等。この場合そもそも販売している業者が整備はしないスタンスなので、「ユーザー自身で自転車店に持ち込んで組立(整備)をしてもらう」前提で商品が手元に届きます。

■ネット通販で購入/未組立品の状態で納品された商品

直販型メーカー同様、販売店(自転車店)を通さない業者全般。整備面でかなり詳しい方以外では取り扱い面でかなり難易度が高くなる商品ジャンルです。補修部品の供給が無い場合も多くあるので、将来的な維持管理が困難なこともあります。比較的安価という価格面だけに釣られることなく慎重に商品を選んだ方がいいでしょう。

■個人売買/オークションサイトで購入

ショップ出品商品以外は当然自己責任になります。「新車」「新古品」「中古品」それぞれの状態に応じて、入手後ご自身で自転車専門店に「基本整備」「オーバーホール」などを依頼するのが無難だと思います。

自転車の場合は「新車」と言っても、実際には各所の整備点検が必要で、「箱から出したらすぐ乗れる」訳ではないので、上記のケースに限りませんが、「乗り出し」にはきちんと整備されているか確認・注意することが重要です。

当店の「新車」整備の料金は「7分組立工賃」がベースになります

車種カテゴリー別の基本料金の目安になります。完成車仕様の場合の整備料金です。

※正確な「新車」整備費用には個別見積りが必要です。表の基本料金が目安になりますが、特殊作業が必要な場合など部品の仕様によって費用が異なります。

車種カテゴリー別の全体整備費用の目安

「クロスバイクに乗っているんだけど、オーバーホールってかなり費用がかかるの?」との質問をいただくことがしばしあります。クロスバイクの新車購入価格帯のボリュームゾーンは5~8万円程度(ただ、昨今の値上げの嵐でもう1~2万円高くなっているかもしてません)が相場と言われています。それを基準に整備費用は「このくらいまで」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

ロードバイクをオーバーホールして10万円くらい費用がかかった、といった情報などがあると、「クロスバイクにそこまではかけられないなぁ」と考えるのが普通だと思います。でも、ご安心ください。バイシクルサポートではクロスバイクをはじめライトユーザー向けのセット整備プランもいろいろとご用意しております。

<各セットメニュー基本料金>

  • オーバーホール(フル作業)…38,500円~
  • セットメンテナンスA.プレミアム…27,500円
  • セットメンテナンスB.スタンダード…17,600円
  • セットメンテナンスC.ベーシック…13,200円

各コース詳しくはコチラ

使用頻度、過去の整備状況、保管状態、等々、自転車の消耗度合いで当然おすすめのプランは変わってきますが、一般的に「フル作業」&「セットA」はロードバイクの方からの依頼が多くて、「セットB」&「セットC」はクロスバイクの方に人気があります。

セットメニューでは部品代金込みで、ブレーキパッドやケーブル類など消耗品の交換を行って再調整&整備をします。

また、ゴム製品がゆえ必ず交換時期がやってくる「タイヤ&チューブ」の部品代金も、

ロードレーサー用(2本ペア)…15,000円前後

クロスバイク用(2本ペア)…10,000円前後

(交換作業工賃別途)

この辺りが相場ですので、ロード>クロスと価格帯が違います。ロードバイクほどクロスバイクのタイヤ&チューブの相場は高くありません。走行距離だけでなく、ゴム素材ですので経年劣化がありますので、長く使っても2~3年までで交換されるのが理想的です。

表の「無料工賃」は取付対象部品を当店お買い上げの場合。お持ち込みの場合は有料となります。

ロード系車種(ロードレーサー、グラベル、ツーリング車等)の作業の場合ですと、走行距離も伸びますし、パーツの性能維持のためにも整備がより重視されるカテゴリーです。やはりそうなると、本格的な整備メニューの「フル作業」&「セットA」のニーズが多くなります。もちろん基本的な整備メニューの「セットB」&「セットC」程度の内容で十分なケースもありますので、バイクの状態によって判断すればよいかと思います。逆に「クロスバイク」などの車種でも使い方によっては本格的な整備メニューを検討された方がいい場合もあります。

最終的には実際に自転車の状態を拝見して、個別のお見積もりが必要になります。相場が分からないと不安な方もいらっしゃるかと思いますので、今回は車種別チャート表で概算の消耗品交換を伴う整備費用の「価格帯の目安」をまとめてみました。ご来店の際の参考にしていただければと幸いです。各コースお見積もり相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

※お知らせ

2023年4月「バイシクルサポート東東京」が江東区住吉にオープンしました。

店舗情報はコチラから

実は「お店でのメンテナンス」よりも大事な「セルフメンテ」のこと

「自分でどこまでメンテナンスをすればいいの?」。今回のブログは主に「スポーツ車」ユーザー向けのアドバイスとなりますが、最近は外装ギア付き「一般車」も増えてきているので、そういった車種の方への参考にもなればと思います。

最初に前提としての解説ですが、自転車は「スポーツ車」と「一般車」の2つ分類されます。このワードは業界用語なので、消費者ユーザーの方々にはなじみがないかもしれません。

「スポーツ車」…ロードバイク、クロスバイク、MTBなどの主に「外装ギア」が付いているサイクリング用・レクレーション用・スポーツ競技用の自転車。ギアが付いていないピストバイクやBMXなども有り。

「一般車」…ママチャリという俗称で一般にしられている自転車のこと。販売店の店頭表示では「○○インチシティサイクル」などと書かれていたります。最近では電動アシスト付きモデルの普及シェアも高い。

部品規格上の違いの解説は割愛しますが、この2つの自転車は「メンテナンス上の特性」が全く異なります。実はココが凄く大事なポイントで、それぞれの特性を理解せずに使用していて、自転車をダメにしてしまっているケースをよく見かけます。

単純に解説すると、

「スポーツ車」⇒こまめなメンテナンス作業が必要な構造の部品構成

「一般車」⇒整備頻度の少ないメンテナンスフリーな部品構成

(※ただし、最近は「外装ギア」付きの一般車も増えてきているので、そういった仕様の一般車だと、スポーツ車に準じるメンテナンス頻度が必要です。)

といった理解でいいかと思います。

「外装ギア」は軽く速く走るために必要な部品
「一般車」でもこんなギアの場合は取り扱い注意

快適に長い距離を走るために作られる「スポーツ車」の場合だと、軽量であることが求められます。特殊な材質や加工方法を用いて軽量化すると「部品がデリーケート(ある意味弱い)」になって「価格が高く」なる、これは乗り物の部品ゆえの宿命と言えるでしょう。そのため消耗品の交換頻度も高く維持管理にコストがかかります。それに対して「一般車」の場合、屋外保管前提、お買い物や近隣駅まで等の移動手段が想定で実用性が求められるので、走りの性能より丈夫で錆びにくに重点を置いた部品構成です。この違いが両者の「メンテナンス性の違い」に大きな差がでる主な理由です。この特徴を正しく理解して取り扱うことがとても重要です。

もちろん「一般車」にも定期的なメンテナンス作業は必要ですが、「スポーツ車」にとっては整備作業がより重要になってきます。ロードバイクを購入してママチャリ感覚で使って、短期間で各所部品を傷めてしまっている残念なケースがあったりします。

以前のブログでもご案内しましたが、平均的な使用頻度の場合のおすすめのメンテナンス頻度の目安です。

日頃ご自身で行っていただく整備作業は「タイヤに空気を入れる」「チェーンに注油をする」「最低限の拭き掃除」の3点で基本的には十分です。それ加えて最低年に1回以上のショップ依頼での安全性確保のための点検作業&整備で維持管理。ここまでが、どなたにも行っていただきたいメンテナンス作業です。また、きれいに保つためには「洗車」作業を行っていただくのもおすすめです。夏シーズンなどは汗が車体についていることも多く、軽く水道水で洗い流しておく(ただし、その後は拭き上げ&注油必須)だけでもかなり違います。

こんな状態になってませんか?特に「スポーツ車」系のチェーンは注油をしないと必ず錆びてしまいます

「スポーツ車」ユーザーの場合、自転車の知識・整備技術がある方だと消耗品の交換などを自分でこなす方も多くいらっしゃいます。初心者であっても次のステップとして、 特に「タイヤ」「チューブ」交換作業だけはなるべくご自身で出来た方がいいかと思います。出先でパンクした時にその修理作業が自分でできると、サイクリング技術の幅が大きく広がります。それ以上は技量があれば自分で行ってもいいですし、無理であればショップに依頼する作業と考えていただくのが無難です。機械部品いじりも自転車の楽しみの一つですので、セルフメンテの線引きはかなり個人差のある分野です。

「スポーツ車」の日常管理でもう一つ重要なポイントが一つあります。「室内保管」で管理が可能かどうかの問題です。それによって「日常の自己点検」の実施頻度が違ってきます。「室内保管」によって日常整備の手間がかなり軽減できます。通勤用途等で屋外に置くことが多かったり、住宅事情でやむなく屋外保管だったりということもありますが、極論を言うと「室内保管」に勝るメンテナンス方法はありません。

やむを得ず「屋外保管」の場合、注油(特にチェーン)や掃除作業の頻度は「1か月に1回必須」+「雨の日の後は別途必ず」くらいの維持管理が本来必要です。

大切な愛車を長く使っていただくためには、お店での整備も重要ですが、それ以上にご自身での日常メンテナンスにかかっている場面が実際には多くあります。

セットメンテナンス『C.ベーシック』コース~クロスバイクの定期メンテにおすすめ~

日常生活で活躍する「クロスバイク」ですが、

「自分が乗っているのはロードバイクじゃないし、そんなにガンガン走っているわけじゃないし…」

「今までママチャリしか乗ってなかったので、その感覚でクロスバイクを使ってしまっている…(メンテナンスしなくても大丈夫だろう)」

といったような人は要注意です。クロスバイクの消耗品の交換時期をご存じですか?

セットメンテナンス各コースのご案内はコチラ

『C.ベーシック』コースは基本消耗品交換+各所点検&再調整の整備メニューです。↓下記作業がパーツ代金込みで13,200円(税込)となっております。

  • ブレーキケーブル交換
  • ブレーキパッド交換
  • シフトケーブル交換
  • ホイール調整(振れ取り作業)
  • 安全点検(セットメンテナンスEコース相当の内容)

※使用するケーブル類はシマノのスタンダードなステンレスモデル

※Vブレーキ、カンチブレーキ、機械式ディスクブレーキ、いずれも料金内設定

毎日、通勤や通学などでクロスバイクを使っている方でしたら、1~2年に一度は必ず交換していただきたい消耗部品が含まれます。

<ケーブル類>…ブレーキやシフト操作を行っている金属製の部品です。一般に前ブレーキ用、後ろブレーキ用、前変速用、後変速用、計4本あります。アウターケーブルと呼ばれる筒状ケーブルの中にひも状の細いインナーケーブルが通っています。日々の使用で、だんだんとサビや汚れが付着して、各操作がしにくくなってきます。

ケーブル類を交換して、ブレーキ&シフト再調整を行います

<ブレーキパッド>…左右からリムを挟み込むことによってホイールの回転を減速させ自転車を停止させる役割の部品です。主にゴム素材ですので、当然その時の摩擦でブレーキパッドが擦り減ってきます。日々使っていくにつれブレーキの制動力はだんだんと落ちていきますので、定期的な交換が必要な部品です。特に雨の日に使うことが多い方は、減りが早いので要注意。

Vブレーキの例:左)擦り減ったパッド/右)新品のパッド
ホイールの振れ取り作業も基本料金に含まれます

クロスバイクユーザーの方だと、~60分以内/1日あたり、程度の使用頻度の方が多いのではないでしょうか。それゆえ、そんなに長い距離を走っていないとのイメージでいる方が多いのですが、週5日×1年間(12カ月)で計算すると、1~2年間で十分に3000㎞程度に達しています。これらの消耗部品はだいたいこのくらいの距離が交換時期の目安になります。

使用頻度・保管状態・日頃のお手入れにもよりますが、一般的には新車から2年目以降の定期点検の際には『セットメンテテナンスC.ベーシック』コース相当の整備内容がおすすめです。(※それ以上の使用頻度の方の場合など、チェーン周りの消耗も想定して『セットメンテナンスB.スタンダード/17,600円』コースもおすすめ)

また、「タイヤ&チューブ交換」も同時期が交換目安になりますので、必要があれば一緒のタイミングでご検討されてもいいかと思います。クロスバイク向けタイヤの相場は3,000円~4,000円/1本、チューブが1,200円/1本程度です。『セットメンテナンスB&Cコース』と同時作業時には作業工賃を割引料金(1,100円~/1本)にさせていただいております。前後ともに交換して11,000~13,000円程度が平均的な 「タイヤ&チューブ交換」費用の ご予算です。

事前の無料見積もりは随時受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。ご来店予約は各店のfacebookページからも承ります。

久我山店facebookページ

■東東京店facebookページ(現在準備中です)

コンポーネントの載せ替え

今回はコンポーネント載せ替え作業のご案内です。「コンポーネント」とは自転車を構成する部品一式のことですが、一般的には「ブレーキ回り一式…ブレーキレバー&ブレーキキャリパー」と「ギア周り一式…シフトレバー、リアディレーラー、フロントディレーラー、スプロケット、クランクセット、ボトムブラケット、チェーン、(+ホイール)」を指す用語です。そして、フレームとコクピット回り(ハンドル、ステム、ヘッドパーツ)とサドル回りの部品を合わせて自転車が構成されています。

「コンポーネント」メーカーとして最も有名なのは、おそらくほとんどの方が知っている日本の「シマノ」。その他だと「カンパニョーロ」「スラム」などがメジャー。そして車種のカテゴリーごとに「グループ」がラインナップされています。ロードコンポの「シマノ・105(イチマルゴ)」「シマノ・アルテグラ」「シマノ・デュラエース」などと言ったモデル名は聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は互換性の解説は割愛しますが、自分の自転車に何が使えるのかどのサイズを選べばいいのか互換上どの組み合わせが正しいのか、その辺りを確認して「コンポーネント」を選ぶ必要があります。

当店の105コンポーネント載せ替えオーダーシートのイメージ

完成車で自転車を購入すると、ロードバイクの場合「シマノ105仕様なら15~20万円」といった感じでおおむね相場によって採用されているコンポーネントが決まっています。もちろん、フレームがカーボンかアルミ、ディスクブレーキかリムブレーキ、などの要素でも価格帯は変わってきます。

  • クラリス
  • ソラ
  • ティアグラ
  • 105
  • アルテグラ
  • デュラエース

「シマノ」のロード・コンポーネントのグレード順です。「デュラエース」が最高峰グレードです。「値段がかなり違うけど、何が違うの?」って聞かれると、一言で説明できませんが、簡単にお答えすると「性能が違います。グレードが上がるほど当然よくなります。」ってことです。現在ご自身のバイクはどのグレードでしょうか。「コンポーネント」を上位モデルに載せ替えることで、自転車のパフォーマンスは当然良くなります。

「ソラ」がついているけど、「105」に載せ替えてグレードアップしたい、といういことが可能な訳です。

それと「コンポーネント載せ替え」の目的として多いのが、「メンテナンス」や「オーバーホール」をしても無理なケースです。とくにギア周りなど長く乗っていると部品自体が削れて摩耗してきます。ケーブルやチェーンなどの消耗品を交換しただけでは回復しないことも。そういった場合は「コンポーネントの載せ替え」作業が必要になります。

また、古いMTBクロスバイク(2~30年前の7段や8段仕様)のレストア作業として、載せ替えるケースもよくあるご相談です。この場合、比較的安いコンポーネントのカテゴリーなので、コンポ一式+工賃で3~5万円で可能なケースも多いです。ちょっと思い入れのある自転車だったりするので、新車の買い替えと比較しても妥当な費用なので、検討される方がいらっしゃいます。

載せ替え作業工賃…基本、個別見積もりです

さまざまなケースが想定されるので、実車を拝見してから、お見積もりさせていただきます。(参考)ロード系なら2.5~3万円、クロスバイクなら2万円前後、が作業工賃の目安。いずれも 油圧ディスクでない 場合。

≪只今、キャンペーン中‼≫

※「105」以上のグレードコンポーネント一式を当店でお買い上げの場合⇒作業工賃がサービス価格になります。

  • デュラエース一式購入時工賃⇒10,000円
  • アルテグラ一式購入工賃⇒10,000円
  • 105一式購入時工賃⇒12,000円

(税別)

注.いずれもリムブレーキ標準仕様の場合です。油圧ディスクや特殊な内装ケーブルルーティンの場合は別途費用あり。

クロスバイクに『カゴ』を取り付ける

憧れのカッコいいスポーツサイクルを購入。「あれ?、なんか今までの普通の自転車と違う」と思うことの1つ、「カゴがない、荷物はどうしよう…」

普通のシティサイクルでは標準装備ですが、クロスバイクには付属していない部品がたくさんあります。

  • 前カゴ
  • スタンド
  • 泥除け
  • ライト
  • カギ

この辺りが代表的なところでしょうか。クロスバイクでも中には標準装備の完成車モデルもあったりしますが、そのほとんどがオプションパーツとして別に購入しなければなりません。「フロントライト」は車両として必須のアイテムなので、ほとんどの方が取り付けるかとは思いますが、その他のオプションパーツはクロスバイクを使う目的によって必要性のある方のみが選択して取り付ける場合が多いでしょう。

「実用性」を求める方(普段使い、お買い物用、通勤通学用など)はやはり普通のシティサイクルに近い装備が必要になってきます。逆に「スポーツユース」を求める方はこういった実用的なオプションパーツは無い方が逆に使い勝手が良かったりします。

そこで「前カゴ」ですが、クロスバイクとシティサイクルでは車体の構造が根本的に異なりますので、取り付け方法の要領も違ってきます。

シティサイクルの場合、もともと前カゴありきの設計ですので、一般的にはこのように前カゴが取付されています。

大きめのカゴがつけやすい(カゴの耐荷重の優位性)、走行時の安定性、ライト(前照灯)との組み合わせ、しっかりとしたスタンドがあるので駐輪中に倒れにくい、等々、やはり使い勝手ではシティサイクルに分があります

それに対しクロスバイクの場合、カゴの取り付けスペースに制限があるため、原則「クロスバイク向け商品」のカゴを選ぶ必要があります。車輪の固定方式もクイックレバー式が主流なので車軸にカゴ足の取り付けもできません。

取付方法①…カンチ/Vブレーキ台座を利用

esss『ATB-3ワイヤーカゴセット』
3,950円(税別・取付工賃別途)
カンチ・Vブレーキ台座+Fフォークブリッジのセンター穴の
3点で取付台座を支えます

最近はディスクブレーキ採用のクロスバイクも増えてきていますので、その場合カンチ・Vブレーキ台座の無い車種もあります。そういった場合はハンドルバーにアダプターをつけてカゴを取り付ける商品もあります。※また、カンチ・Ⅴブレーキ台座のないモデルの場合、「リアキャリア+後カゴ」も検討していただけるといいかと思います。

取付方法②…ハンドルバーに専用アダプター式

「KLICKFix」システム採用の代表的なメーカー「リクセンカウル」
リクセンカウル『フロントアタッチメント』KF810
2,500円(税別・取付工賃別途)
このタイプのカゴはアタッチメントだけを残して
カゴの着脱がワンタッチで可能です

このタイプの商品だと着脱が容易なので、時々しかカゴを使わないという方でしたら、普段はカゴを外して走行できるというメリットがあります。ただ、このタイプはハンドルでカゴを支えるため重心が上にきますので、走行時の安定性では不利になります。荷物が少なめの方でしたら、小さめのサイズのカゴがおすすめです。

リクセンカウル『ミニバスケット』KM826
4,200円(税別)
サイズW29×H19×Ⅾ20㎝

※取付工賃は車種やカゴのタイプによって異なります。一般的には500円~2,000円程度が目安です。

クロスバイクの修理の具体例

クロスバイクで相談件数の多い修理の具体例をランキングにしてみました。クロスバイクはスポーツサイクルの中でも一番用途の汎用性の高いカテゴリーですので使い道は人それぞれ。週末のサイクリングなどスポーツユースにお使いの方でしたら、定期的にメンテナンスをされている方も多いとは思います。その一方、デイリーユースでクロスバイクを使用されている方の場合、一般のシティサイクル感覚でメンテナンスを考えている方が多いのが現状かと思います。

そこで、あらかじめご理解をしていただきたいのが、

シティサイクル=メンテナンスの頻度が少なくても大丈夫な構造

スポーツサイクル=定期的なメンテナンスを前提とした構造

だということです。

クロスバイクもスポーツサイクルですので、やはり定期的なメンテナンスは欠かせません。スポーツサイクルの場合、「用途からして走行距離が長い」、「走行性を重視しているため軽量でデリケートなパーツが多い」、「ギアの構造が複雑」、など理由から、どうしても調整箇所が多かったり、パーツの消耗が早かったりします。(シティサイクルでもヘビーユーザーの方でしたら、同じことが言えますが…。)

ランキングは主にデイリーユースにお使いの方に多いトラブルです。普段通りに使用していても避けられないパーツの消耗が原因の場合と、日頃のメンテナンスを怠ってしまったことが原因の場合があります。日頃気をつけていただきたいこともあわせてコメントしてます。シティサイクルや街乗りに使っているロードバイクにも同じようなことが言えますので参考になさってください。

第1位…ブレーキシュー交換

症状:ブレーキが効かない、ブレーキの効きがわるい

原因:ブレーキシュー(パッド)がすり減っている

修理の具体例:Vブレーキシュー(シマノ/M70T3)交換・前後

       料金…4,832円

平均的な使用で1500㎞くらいが、交換の目安でしょうか。比較的消耗するのが早い部分だと考えていただいていいでしょう。クロスバイクはVブレーキ(写真)が採用されているモデルが主流です。制動力が強いのでよく効くということは、それだけブレーキシューがすり減るといことです。特に雨の日に使用される方は、交換の目安がかなり短くなります。新車納車時から2~3か月後で交換といったケースもあります。目視ですり減り具合は確認できますので、不安を感じたら早めに交換をしましょう。

第2位…チェーン交換

症状:チェーンが固まってしまった

原因:サビによる固着

修理の具体例:チェーン(シマノ/CN-HG71、8スピード)交換

       料金…4,369円

メンテナンスを怠って交換至る代表格です。本来は定期的に注油をしていれば長く使える部品です。特に自転車の保管場所が屋外で雨にさらされる場所の方は要注意です。こちらのブログを参照⇒『チェーンの交換時期』

第3位…シフトケーブル交換

症状:リア変速、トップ側に変わりにくい

原因:シフトケーブル内部のサビや汚れでケーブルがスムーズに動かない

修理の具体例:リアシフトケーブル(ステンレス製インナー&アウター)交換

       料金…2,550円

ケーブルが切れてしまってシフトが動かない。ケーブルが錆びて固着してしまってシフトが動かない。ここまでなってしまえば当然交換が必須ですが、何となくシフト操作がもたつく場合はケーブルが痛んできているサインです。特にトップ側(レバー操作解除側)への動きが悪いときはシフトケーブルの交換が必要な時があります。ケーブル類も雨に弱い箇所ですので、使用状況によって交換のタイミングを見極めましょう。特に異常がなくても2年に1度くらいは交換した方がいいでしょう。

第4位…タイヤ交換

症状:タイヤ、側面のヒビ割れ

原因:空気圧が少ないことによるタイヤへのダメージ

修理の具体例:タイヤ交換(IRCメトロ700×28C)クイックレバー式1本

       料金…5,000円  

タイヤサイドのヒビ割れ

全体的なヒビ割れだったり、表面のすり減りの場合は通常の経年劣化ですが、写真のような感じのヒビ割れですと空気が少ない状態で乗っていることが原因と考えられます。日頃から適正な空気圧で管理して使用することが重要です。    

第5位…ディレーラーハンガーのトラブル

フレームにリアディレーラーを取り付ける部分をディレーラーハンガーと呼びます。
アルミフレームやカーボンフレームの場合、ほとんどが交換式のディレーラーハンガー。
メーカー純正パーツのため各正規代理店で購入する必要があります。

症状:ディレーラーハンガー(以下、DH)が折れて走行不能

原因:外的要因で内側(ホイール側)にDHが曲がった状態のまま走行していて、ロー側に変速した際に、リアディレーラーを後輪に巻き込んでしまい破損

修理の具体例:DHの交換のみで済めば、DH代金+工賃1,500円のみの修理料金で済みますが、走行中にDHを折ってしまった場合は、そのはずみでリアディレーラー、チェーン、後輪などを損傷してしまうケースが多くあります。損傷がひどい場合にはそれなりに高額な修理になるケースがあります。乗車前点検で、事前にDHの変形に気づくことが重要です。異常に気が付いた場合にはロー側には変速しないようにします。そしてすぐにショップに相談をしましょう。※最近主流の交換式のDHはフレームの破損を避けるための安全装置のようなものです。無理な力がかかった時に先にDHが曲がるようにできていますので、取り扱いには注意が必要です。DHのトラブルはクロスバイクに限らず他のスポーツサイクルでも気をつけましょう。

★当店でご用意できるディレーラーハンガーもありますが、手配ができない車種もありますので、その際にはお客様自身で各メーカーの正規代理店でご購入をいただいてからのお持ち込みをお願いしております。詳しくはお問い合わせください。

※具体例の料金はいずれも税抜、工賃込み(パーツ代+工賃)の価格です。

※修理具体例の料金は平均的な目安として掲載をしています。自転車の状態、自転車の仕様によって料金は前後しますので、正確なお見積もりには実際に自転車を拝見させていただく必要があります。

デイリーユースのクロスバイクでも『日常のご自身での乗車前点検』&『定期的なショップでの総合点検』を行うことが重要です。