「ショップ難民」という業界事情

「ショップ難民」とグーグル検索で打ち込むと「ロードバイク」と関連ワードが表示されます。最近は、以前よりもだいぶ変わってきたようにも感じますが、「他店で購入した自転車の修理・メンテナンスは受け付けない」ショップがあるのが、この業界の特徴だったりします。特に専門性の高い「ロードバイク」だと、顕著にその傾向があったります。

理由としては、

  • 単純に技術的に扱えない
  • そのメーカーと取引がないためパーツが入手できない
  • 多忙につき自店顧客の対応で精一杯
  • 通販/直販で購入した商品より、自店取り扱い商品を優先したい
  • etc.

この辺りの事情が背景にありますので、まずはユーザーの皆様にもご理解いただきたいと、一業界人として思うところもあります。一般に「車体・パーツの販売」をビジネスの中心にして、その「付加サービス」として「修理・メンテナンス」を行っているお店としての立場もあります。

逆に当店のように「修理・メンテナンス」をメインのビジネスとしてそのサービスの提供を行っているショップも存在します。もちろん、販売をメインにしたショップの店主さんでも、「修理・メンテナンス」サービスを積極的(他店購入車歓迎)に展開されている方も多くいらっしゃいます。ただ、この辺りが外からは分かりにくいこともあったりして、お住まいの近所ですぐに見つかるかと言うとなかなか難しかったりします。それが、いわゆる『ショップ難民』が生まれる原因の一つだと思います。

『ショップ難民』になってしまうケース、よくある状況として挙げられる例です。

  1. 引っ越してお世話になっていたショップに行けなくなった
  2. お世話になっていたショップが廃業してしまった
  3. 通販/直販で車体を購入した
  4. 何となく店主さんスタッフさんと合わない…
  5. お世話になっていたスタッフさんがやめてしまった
  6. 2次流通品
  7. etc.

当店でもお客様のお話を聞くと①&②のケースが圧倒的に多いですね。③が多いようなイメージを持たれるかもしれませんが、意外と多くはありません。たぶん通販/直販で購入される方は、ご自身でほとんど整備ができるメカに詳しい方が中心だからだと思います。④&⑤はネタとしてお話しされる方がいますが、敢えてお持ち込みの際にする話題でもないので、なんとも申し上げられません。⑥としては、友人から譲ってもらった、中古で購入したなども最近増えてきています。その他の理由として、都内特有の事情かもしれませんが、購入は家から遠くても「品揃えのいい大手ショップ」さんを利用してたけど、アフターメンテナスのことはあまり考えていなかった、というお話もよくお伺いします。

ロードバイクに限りませんが、スポーツサイクル全般(もちろん普通のシティサイクルも)、乗り物である以上、定期的な整備や消耗品の交換は欠かせません。メンテナンスを依頼できる専門店を見つけておくことは非常に重要です。バイシクルサポートでは「ショップ難民」を少しでも減らせればと思って各種サービスをご提供しております。当店は「他店購入車」を専門的に受け付けている「自転車メンテナンスショップ」ですの、整備でお困りのことございましたらお気軽にご相談ください。

※最近、通販で流通が増えている「海外製の特殊な電動自転車」がございます。国内での部品の流通が全く無く、また整備技術マニュアルの提供もされていない製品です。このカテゴリーにつきましては当店でも対応できかねますので、予めご了承願います。

同業他社のショップ様へ、作業承ります。

≪パートナーSHOP様募集中≫

※業販取引のご案内です

「忙しくて組立/修理作業やオーバーホール作業が消化できない」といったショップ様、弊店で御社の作業を外注させていただきます。お取引条件など、詳しくはTEL等でお問い合わせください。(バイシクルサポート 担当:寺村)

こちらから回収&作業終了後納品に伺えるエリアは久我山からおおむね車で1時間以内を目安に承ります。※当方個人経営のため、スケジュールの都合上、御社にて弊店までお持ち込みいただいた方が納期は短縮できます。 (搬送費用は有料です)

「オーバーホール」「全体整備」など作業に時間を要する仕事を中心にご依頼承ります。定期お取り引き、繁忙期のみ、イレギュラーな作業依頼、単発でのご依頼、展示車の7分組立などもOK、etc.、可能な限りフレキシブルに対応いたします。御社のショップ運営のお手伝いをさせていただければと思います。

自転車に注油をする時のポイント

『今さら人に聞けないシリーズ』です。注油に関する基本の『き』編です。

「ご自身で定期的にやっていただきたい自転車のメンテナンスは2つあります」とお客様にアドバイスをするようにしています。一つ目が『空気を入れること』。そして、もう一つが今回の『注油』です。特にギア付きのスポーツサイクルの場合、注油はとても重要なメンテナンスです。もちろん、ショップにお願いして作業をしてもらってもいいとは思いますが、頻度の高いメンテナンスですので、自宅でご自分で行う習慣を身に着けていただいた方が本来は理想的です。

⇑写真は「錆びたチェーン」、注油を怠るとこうなりますよ…

それでは実際にどうしたらいいのかというと、初心者の方を基準にお話しすると「チェーンに1か月に1回、注油をすること」を行っていただければOKです。ただ、屋根なし屋外保管の場合はもう少しマメな注油が必要になってくると思います。※雨ざらしの自転車の保管方法は決して推奨はしません。

基本、『チェーンへの注油』だけを行っていただければ大丈夫です。もちろんチェーン以外への注油も必要になってきますが、定期点検(6カ月~1年に一度の)のタイミングで注せばいいところが多いので、その辺りはショップに任せて、初心者の方でしたら、まずはチェーンへの注油の方法を覚えることが重要です。

ちなみに当店のチェーンへの注油の料金は300円(税別)です。1,000円~2,000円程度で、そこそこの内容量のチェーンオイルが販売されていますので、ランニングコストとしては、チェーンオイルを購入してご自身でされた方が絶対にお得です。

写真はキッチンペーパーを使ってます。

注意点としては、オイルがリム面やタイヤに付着しないように、ウエスやキッチンペーパーなどでチェーンを覆って、周辺に飛び散らないようにすることです。特にスプレイ式の場合、そのまま吹きかけてしまうと「リム面」や「タイヤ」にオイルが付着してしまいます。「リム面」にオイルが付着するとブレーキの制動に悪影響があります。「タイヤ」はゴム製品ですのでオイルによって傷めててしまう可能性があります。

チェーンにオイルを十分に注したら、少し浸透するのを待って、最後に余分なオイルをふき取る、といった流れの作業です。拭き取らないと、走行中にオイルが飛び散って、結局リム面やタイヤに付着してしまいます。

ついつい回る所に油をしたくなりますが…

参考までに、チェーン以外の注油箇所について。基本的な覚え方として、回転する箇所(ハブ、ボトムブラケット、ヘッドまわり、など)には原則注さない方がいいでしょう。回転部分は、内部に固い油脂類(一般にいうグリスなど)が塗布されているので、外から液状のオイルを注してしまうと、内部のグリスを溶かしてしまうことになります。チェーン以外に注す場所としては、ケーブル類、稼働パーツのリンク部分などです。

「エバース(左)」「フィニッシュライン(右)」、常時在庫有ります

チェーンへの注油は「自転車専用のチェーンオイル」を使いましょう。いろんなメーカーがあるので、どれを選ぶかはお好みでいいと思います。「ドライ」と「ウエット」の2種類をラインアップしているメーカーをよく見かけます。なかにはセミウエットタイプといって中間的な性質のものを作っているメーカーさんもありますね。応急処置として、一般の機械油も使えますが、やはりチェーンには耐久性のある専用の製品を使うことをおすすめします。

どちらのタイプを使うかは、自転車に乗るスタイルの違いで使い分けましょう。

「ドライ」タイプ…さらっとして汚れにくい仕上がりになるので、こちらのタイプの方が一般的に使い勝手がいいかと思います。街乗りスタイルの方は基本「ドライ」タイプですね。スポーツユースの方でも「ドライ」タイプを使っている方の方が多いですね。ただ、あまり長持ちしない性質ですので、こまめに注すことが重要です。

「ウエット」タイプ…テカテカした光沢のある仕上がりになります。耐久性のある性質が長所ですが、汚れやすいのが難点です。街乗り派だと服がチェーンに触れたりするとかなり汚れますね。雨の中をよく走る方や1回に200㎞クラスのロングライドをされる方など、ハードな乗り方をされる方には支持されるタイプです。

当店でも店頭で扱っていますので、詳しくはお問い合わせください。