クロスバイクで相談件数の多い修理の具体例をランキングにしてみました。クロスバイクはスポーツサイクルの中でも一番用途の汎用性の高いカテゴリーですので使い道は人それぞれ。週末のサイクリングなどスポーツユースにお使いの方でしたら、定期的にメンテナンスをされている方も多いとは思います。その一方、デイリーユースでクロスバイクを使用されている方の場合、一般のシティサイクル感覚でメンテナンスを考えている方が多いのが現状かと思います。
そこで、あらかじめご理解をしていただきたいのが、
シティサイクル=メンテナンスの頻度が少なくても大丈夫な構造
スポーツサイクル=定期的なメンテナンスを前提とした構造
だということです。
クロスバイクもスポーツサイクルですので、やはり定期的なメンテナンスは欠かせません。 スポーツサイクルの場合、「用途からして走行距離が長い」、「走行性を重視しているため軽量でデリケートなパーツが多い」、「ギアの構造が複雑」、など理由から、どうしても調整箇所が多かったり、パーツの消耗が早かったりします。(シティサイクルでもヘビーユーザーの方でしたら、同じことが言えますが…。)
ランキングは主にデイリーユースにお使いの方に多いトラブルです。普段通りに使用していても避けられないパーツの消耗が原因 の場合と、日頃のメンテナンスを怠ってしまったことが原因 の場合があります。日頃気をつけていただきたいこともあわせてコメントしてます。シティサイクルや街乗りに使っているロードバイクにも同じようなことが言えますので参考になさってください。
第1位…ブレーキシュー交換
症状:ブレーキが効かない、ブレーキの効きがわるい
原因:ブレーキシュー(パッド)がすり減っている
修理の具体例:Vブレーキシュー(シマノ/M70T3)交換・前後
料金…4,832円
平均的な使用で1500㎞くらいが、交換の目安でしょうか。比較的消耗するのが早い部分だと考えていただいていいでしょう。クロスバイクはVブレーキ(写真)が採用されているモデルが主流です。制動力が強いのでよく効くということは、それだけブレーキシューがすり減るといことです。特に雨の日に使用される方は、交換の目安がかなり短くなります。新車納車時から2~3か月後で交換といったケースもあります。目視ですり減り具合は確認できますので、不安を感じたら早めに交換をしましょう。
第2位…チェーン交換
症状:チェーンが固まってしまった
原因:サビによる固着
修理の具体例:チェーン(シマノ/CN-HG71、8スピード)交換
料金…4,369円
メンテナンスを怠って交換至る代表格です。本来は定期的に注油をしていれば長く使える部品です。特に自転車の保管場所が屋外で雨にさらされる場所の方は要注意です。こちらのブログを参照⇒『チェーンの交換時期』 。
第3位…シフトケーブル交換
症状:リア変速、トップ側に変わりにくい
原因:シフトケーブル内部のサビや汚れでケーブルがスムーズに動かない
修理の具体例:リアシフトケーブル(ステンレス製インナー&アウター)交換
料金…2,550円
ケーブルが切れてしまってシフトが動かない。ケーブルが錆びて固着してしまってシフトが動かない。ここまでなってしまえば当然交換が必須ですが、何となくシフト操作がもたつく場合はケーブルが痛んできているサインです。特にトップ側(レバー操作解除側)への動きが悪いときはシフトケーブルの交換が必要な時があります。ケーブル類も雨に弱い箇所ですので、使用状況によって交換のタイミングを見極めましょう。特に異常がなくても2年に1度くらいは交換した方がいいでしょう。
第4位…タイヤ交換
症状:タイヤ、側面のヒビ割れ
原因:空気圧が少ないことによるタイヤへのダメージ
修理の具体例:タイヤ交換(IRCメトロ700×28C)クイックレバー式1本
料金…5,000円
タイヤサイドのヒビ割れ
全体的なヒビ割れだったり、表面のすり減りの場合は通常の経年劣化ですが、写真のような感じのヒビ割れですと空気が少ない状態で乗っていることが原因と考えられます。日頃から適正な空気圧で管理して使用することが重要です。
第5位…ディレーラーハンガーのトラブル
フレームにリアディレーラーを取り付ける部分をディレーラーハンガーと呼びます。 アルミフレームやカーボンフレームの場合、ほとんどが交換式のディレーラーハンガー。 メーカー純正パーツのため各正規代理店で購入する必要があります。
症状:ディレーラーハンガー(以下、DH)が折れて走行不能
原因:外的要因で内側(ホイール側)にDHが曲がった状態のまま走行 していて、ロー側に変速した際に、リアディレーラーを後輪に巻き込んでしまい破損
修理の具体例:DHの交換のみで済めば、DH代金+工賃1,500円のみの修理料金 で済みますが、走行中にDHを折ってしまった場合は、そのはずみでリアディレーラー、チェーン、後輪などを損傷してしまうケースが多くあります。損傷がひどい場合にはそれなりに高額な修理になるケース があります。乗車前点検で、事前にDHの変形に気づくことが重要です。 異常に気が付いた場合にはロー側には変速しないようにします。そしてすぐにショップに相談をしましょう。※最近主流の交換式のDHはフレームの破損を避けるための安全装置のようなものです。無理な力がかかった時に先にDHが曲がるようにできていますので、取り扱いには注意が必要です。DHのトラブルはクロスバイクに限らず他のスポーツサイクルでも気をつけましょう。
★当店でご用意できるディレーラーハンガーもありますが、手配ができない車種 もありますので、その際にはお客様自身で各メーカーの正規代理店でご購入をいただいてからのお持ち込みをお願いしております。 詳しくはお問い合わせください。
※具体例の料金はいずれも税抜、工賃込み(パーツ代+工賃)の価格です。
※修理具体例の料金は平均的な目安として掲載をしています。自転車の状態、自転車の仕様によって料金は前後しますので、正確なお見積もりには実際に自転車を拝見させていただく必要があります。
デイリーユースのクロスバイクでも『日常のご自身での乗車前点検』&『定期的なショップでの総合点検』 を行うことが重要です。