シフト調整って難しい…?
何となく、ハードルの高いイメージのある作業の1つがシフト調整ではないでしょうか。フレームのエンド修正が必要な場合は別ですが、基本的にはプラスドライバーや六角レンチ等があれば調整できる特殊工具を必要としない作業です。でも、何だか複雑な構造で難しそう…、というイメージを持っている方が多いかと思います。
自転車の変速機は模式的に表現するとこんな感じに自転車に取り付けられています。
シフター(変速レバー)でケーブルを引っ張って(ケーブルを巻き取るイメージ)、ディレーラー(変速機)を動かしている構造です。
ディレーラー側にはバネがあって、引っ張られるとこのバネが伸ばされる構造になっています。そして、シフター側で引っ張ているケーブルを再び緩めるとバネの縮む力でディレーラーが元の位置に戻ります。
『インナーケーブル』を使って、『シフター』と『ディレーラー』が綱引きをしている構造です。この綱引きのバランスを調整することがシフト調整です。
通常、まったく引っ張られていない状態ではディレーラーはリアの場合トップギア側(フロントだとインナー側)にあります。シフターでケーブルを矢印の方に引っ張ると、ディレーラーが引っ張られて、
矢印の方に動いてローギア側(フロントだとアウター側)の位置に移動します。
そして、ディレーラーにはチェーンが通っていますので、この動きを利用して、チェーンを移動させて変速を行うことがディレーラーの役割です。
この動きを最適化するために、ケーブルの張り具合をアジャストする『ケーブル調整ボルト』を使って綱引きのバランスをちょうどいい位置にしてあげます。変速不具合の原因としてよくある、いわゆる「ケーブルの伸び」に対する調整です。⇒※一般的にこの作業レベルで済む調整を前提に、当店ではシフト調整作業工賃を1か所/500円で設定しています。
ただ、工賃表が500円『~』という表示になっているのは、変速の不具合は複合的な要因があるので、一概にケーブルの張り具合だけでは改善されないケースが多いのも現実です。状態を拝見せていただいて、個別にお見積もりをしております。
他にも複数の調整ネジ(Bテンション調整ボルト、トップ&ロー側のそれぞれのストローク調整ボルト)がディレーラー側にはありますので、それらの構造を理解しないと正しいセッティングはできません。もちろん変速機そのものの取り付け位置も重要です。この辺りの内容はまた別の機会で、投稿しようかと思っています。
また、このようなスタンダードな外装モデルではなく、内装だったり、電動変速だったり、ローノーマルのリア変速機だったり、個別にセッティングが異なるケースがけっこうあります。
やっぱり、シフト調整って、難しい…。かもしれません。
※現在、初心者向け基本的なシフト調整方法の講習会を企画中です。近いうちに開催予定です。日程等、決まりましたら、あらためてご案内いたします。