「チェーンのサビを落としたいので、どうしたらいいですか?」よく受ける質問の一つです。表面に薄っすらと部分的についている程度のサビでしたらクリーナーやチェーンオイルを付けて擦れば落ちますが、上の写真のような状態になってしまったら、チェーンのサビは落せません。交換するしかありません。錆びる前に注油をすることがチェーンのメンテナンスの鉄則です。外装ギアの自転車を日常的に使用している方でしたら、1か月に1回は注油を心がけましょう。雨の日によく使用される方でしたら、もう少しマメに注油してもいいでしょう。
また、チェーンは使用していると摩耗してくる消耗品です。定期的に交換することが望ましいパーツの一つです。「チェーンの伸び」が交換のタイミングの基準になります。伸びるといっても、目視でわかるような「だら~ん」とした状態になってしまうわけではありません。伸びの程度を数字でいうと、~1%程度の伸びという表現になります。症状としては、チェーンの1コマ毎の遊びが大きく感じられます。この遊びによって変速のスムーズさが失われてきます。
こんな感じでチェーンチェッカーを使って、「チェーンの伸び」計測します。1%以上の伸びが生じていますので、交換時期です。一般的には「0.75%」が交換が推奨されているタイミングです。変速がシビアな11速チェーンだと「0.5%」くらいの伸びで交換が推奨だとも言われています。変速性能に影響が出てきたら当然交換をおすすめしますが、伸びているチェーンや錆びているチェーンは、スプロケやチェーンリングを削っていきますので、やはり定期的な交換がおすすめです。距離の目安はおおよそ5,000㎞くらいでしょうか。ただ、この目安は乗り方やメンテナンスでかなり左右されるところですので、一概に走行距離を目安にできない判断基準でもあります。
新しいチェーンに交換して、チェーンチェッカーで計測すると、当然ですが全く伸びはありません。それと交換前の古いチェーンと比べると見た目がきれい‼。ちなみにビフォーアフター写真は全く同じモデルのチェーンです。
ギアの段数、使用しているギアのモデルによって、使用できるチェーンは決まっていますので、互換性等はお問い合わせください。
チェーンを交換した際に「歯飛び」という症状が起きてしまうことがあります。古い伸びたチェーンと、削れたギアの歯がちょうどいい具合に噛み合っていて、一方を新しくすると、噛み合わなくなる現象です。見た目で事前に判断できるケースもありますが、チェーンを交換して走り出してみると噛み合わない、といったケースもあります。それなりに使い込んでいる場合はチェーン交換時にスプロケットやチェーンリングの同時交換が必要となる場合があります。経験的に言って、あまり変速をしない方、重いギアを常に踏んでいる方、古いチェーンを使い続けている方、に起きやすい症状です。
それと、汚れがひどい方に同時作業としておすすめ↓
※ギア回りの分解洗浄…6,000円
チェーン交換時におすすめの作業です。基本的にはこのくらいの感じに分解して洗浄を行います。(クランク、スプロケット、チェーン、Rメカのプーリーを外して作業します)
せっかくチェーンがきれいなったので、全体的にきれいにしたい場合は、ギア回りの部品をすべて外して作業した方が効率的です。ギアの歯やプーリーにこびりついた油汚れは、チェーンを外さないと掃除しにくい箇所です。必須の作業ではありませんが、よろしければチェーン交換時にご相談ください。