自転車タイヤの「サイズ」ご存じですか?

タイヤの交換依頼の際に電話でお問い合わせをいただくことがしばしあります。実際にお持込みいただければ、当方でサイズ等の確認ができるのですが、現物がない遠隔の情報では判断が難しいケースがあります。

自転車のタイヤのサイズ種類、実はかなり多いのです。「普通のサイズ…」「小さい車輪…」「26インチくらい…」等々、感覚でお伝えいただくことがありますが、正しい具体的なサイズをお知らせ下さると非常に助かります。

主要なサイズは大抵在庫をしてますので交換対応はほぼほぼ大丈夫なのですが、在庫が無いとお取り寄せに時間を頂戴することもあります。お急ぎ等で事前に確認が必要な場合はこの投稿を参考にしていただければ。

基本、サイズ表記は「タイヤの側面」何かしらの刻印がされています

★下・写真2点は一般的な「26インチのシティサイクル」のサイズ表記例

26×1 3/8 

とタイヤ側面に刻印表記があります。26インチ径で1・3/8インチ(←分数表記)幅のタイヤサイズということです。

そして、26×1・3/8の横にカッコで(37-590)との刻印表記もあります。タイヤサイズは最初の方の「○○×○○」が商品名として広く流通していますが、メーカーや国によってはこのサイズ表記異なることがあります。そこでタイヤのグローバルな統一規格として表記されるのが「○○ー○○○」の数値です。○○㎜幅の○○㎜径で統一したETRTO(エトルト)規格と呼ばれるものです。※European Tire and Rim Technical Organizationの略

一般的に最初の方の「○○×○○」の方をお知らせいただければ判別できる場合が多いですが、エトルト規格表記を合わせてチェックしておくと万全です。

★次はクロスバイクロードバイクのタイヤサイズ表記の一例

700×35C

と表記されています。そして同じくカッコでエトルト表記の35-622が併記。700C径で35㎜幅のタイヤサイズとなります。ここでアルファベットの「C」が登場しますが、「A」「B」などもあったりします。この工業規格が用いられている国があることが歴史的な背景になりますが、単純に「○○○C」はサイズを意味するアルファベットと覚えておけばOK。一般的な多くのクロスバイクやロードレーサーは「700C」との理解でよいかと思います。

★よくサイズを間違えやすい例が、いわゆる「20インチ」の小径モデルの2種類

20×1.75

20×1 3/8

20×1.75(47-406)の20インチ
20×1 3/8(37-451)の20インチ

この2種類の20インチ自転車は全くタイヤサイズが異なります。ご注意を。こういった紛らわしい車種カテゴリーもありますので、表記されているタイヤのサイズを現物でしっかりと確認することが重要です。

■英式バルブ

ウッズバルブ、ダンロップバルブの名称が使われることもあります/いわゆる一般車(ママチャリ)で使われているバルブ形状です

■仏式バルブ

フレンチバルブ、プレスタバルブの名称が使われることもあります/スポーツ車ではもっともポピュラー、ロードレーサーで使われているバルブ形状

■米式バルブ

アメリカンバルブ、シュレッダーバルブの名称が使われることもあります/クロスバイクや入門マウンテンバイクなどでよく使われているバルブ形状

特に「仏式バルブ」はホイールの形状(リムの高さ)によって選ぶバルブ長が異なります。34㎜、48㎜、60㎜、80㎜など様々な長さのバルブ長があります。

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最後に実際にタイヤを選ぶ際ですが、自転車の「車種カテゴリー」も考慮する必要があります。同じサイズのタイヤでも「普通のシティサイクル向け」「電動アシスト自転車向け」があったりします。スポーツ用タイヤだと「街乗り用」~「本格的な競技用」までバリエーションも豊富です。どんな自転車向けの商品なのかを理解して選ぶことも重要です。メーカー名や商品名が分からなくても大丈夫ですので、使用用途を教えていただければおすすめのタイヤをご案内させていただきます。

電動アシスト自転車のタイヤ

電動アシスト自転車のタイヤ交換は専用品がおすすめです。

サイズ規格上は一般のシティサイクル用のタイヤでも電動アシスト自転車に取り付けることは可能ですが、車体重量のあるアシスト車の場合はタイヤへの負担が大きいため、専用商品は耐荷重を考慮して作られています。

IRCの電動アシスト車専用タイヤ
写真上…「足楽」/写真下…「足楽プロ」

トレッドのデザインは基本同じですが、
「プロ」さらに耐摩耗性を強化したトレッドゴム採用

少しお値段は張りますが、IRCのアシスト車専用タイヤシリーズは「MADE in JAPAN」の安心感。(※付属チューブは海外製ですが、肉厚の丈夫なタイプです)。アシスト車向けに最適化された非常によくできた商品だと思います。このカテゴリーのタイヤはIRC 商品を中心に在庫をしています。下記、在庫アイテム参照。

※常時在庫アイテムも在庫数はそれほど多くはありませんので、
お急ぎの場合は必ず事前にお問い合わせください

子供乗せ仕様車の電動アシスト自転車は「20インチ小径モデル」が主流になっいます。ブリヂストンの『ビッケシリーズ』やヤマハの『PASS子供乗せシリーズ』にはブロックパターンの独特のデザインのタイヤが採用されていますね。メーカー純正品やIRC足楽の20インチはもちろんおすすめですが、サードパーティ製でこんなタイヤもあります。「CSTのプレッピー」(下の写真)。純正品とそっくりなデザイン、もちろん電動アシスト自転車向けタイヤ。お値段はチューブ付きで3,000円(税抜)/1本とお手頃。

CSTのプレッピーシリーズ

また、「E-bike」と呼ばれるスポーツサイクルカテゴリーの電動アシスト車ラインナップも最近では増えてきていますね。そういった流行の昨今、シュワルベの耐久性のあるタイヤ商品群には「 E-bike レディ」ってネーミングが付くようになりました。専用の新たな商品だけでなく、既存の商品でも 「E-bike」 に向いているタイヤにそういう呼称をつけているようです。 「E-bike」はシティサイクルに比べると、かなり車体重量の軽量化が実現されていますが、やはりタイヤに負担がかかることを考慮してタイヤをチョイスすることがおすすめです。

従来品のマラソンにも「E-bike READY」のラベル

電動アシスト自転車のタイヤ交換作業工賃

フロントタイヤ…2,000円(税抜)

リアタイヤ…3,000円(税抜)

※上記の料金設定はシティサイクル全般(子供乗せ専用車なども)が対象です。

※スポーツサイクル系は工賃が異なる場合があります。