地味だけど重要なワイヤー類の話 その②

今回はワイヤーの種類について

当店で修理対応に使用しているワイヤー類(標準的な作業の場合)

※いずれも税別/作業工賃は別途

シティサイクル向けブレーキワイヤー

吉川ブレーキ(YSB)/スチール製セット

  • フロント一式…400円
  • リア一式…450円
いわゆるママチャリ向けお手頃ブレーキワイヤー。シティサイクルの場合、工賃込みで1ヶ所あたり1,000円程度で交換可能です。

クロスバイク・MTB向けワイヤー類

シマノ/ステンレスワイヤー各種

  • ブレーキインナー…300円(1本)
  • ブレーキアウター1台分…600円
  • シフトインナー…350円(1本)
  • シフトアウター1台分…700円
シマノのワイヤー類(ステンレス製)

ロードバイク向けワイヤー類

  • シマノのスタンダードなステンレスワイヤー…上記、クロス・MTB向けと同価格
  • シマノ/オプティスリック仕様シフト一式…2,066円
  • シマノ/ポリマーコーティングブレーキ一式…3,623円
  • シマノ/ポリマーコーティングシフト一式…3,909円
  • カンパ/ブレーキインナー…947円(1本)
  • カンパ/シフトインナー…962円(1本)

などなど、特にロードバイク系コンポーネントの場合、こっけうバリエーションがあります。互換性の中で制約はありますが、最近のシマノ系上位モデルだと選択肢が複数あります。

ロードバイクの場合、ワイヤー類は「こだわり」のパーツであったりもします

基本、スポーツサイクル系の作業の場合は、すべてシマノのステンレス製を使用していますので、スタンダードな料金での交換作業でも性能・耐久性は十分かと思います。

もちろん、作業は自分でやるというDIY派の方向けに「ワイヤー単品」での販売もしています。どれを選べばいいのかわからない方でもお気軽にご相談ください。

当店では一般のシティサイクル用からハイエンドロードバイク用まで、いずれも基本的な消耗品ですので常時在庫をしております。交換作業工賃を含めた総額は車種によって違いますので、詳しくは個別にお問い合わせください。

地味だけと重要なワイヤー類の話 その①

ほとんどの自転車では「ブレーキ」や「シフト」の操作は”ワイヤー(ケーブルとも呼びます)”を手元のレバーで動かして行います。

一度セッティングしてしまえば永久的に使える物であればいいのですが、そうはいかないのがワイヤー類の構造の特徴です。使用しているうちに少しずつセッティングがズレてくるので、ワイヤーの「張り具合(テンション)」を定期的に再調整する必要があります。また消耗する部品ですので定期的に交換が必要です。錆びてしまったり、変形してしまったり、ほつれたり切れたりすることがある部品です。

「シフター」と「ディレラー」を繋ぐワイヤー(ケーブル)の模式図

ワイヤー類の構成部品は、外側の「アウターケーブル」と内側の「インナーケーブル」とがあります。そして、ケーブルの末端にはそれぞれを保護する専用のキャップ取り付けられています(※キャップは仕様によっては必要ない場合もあり)。

明らかに見た目でわかる箇所が錆びてしまって動かない状態や、切れてしまっている場合などは、交換の時期の判断がし易いとは思いますが、意外と見えない部分が傷んでいたりして、シフトやブレーキの操作がスムーズでなくなったりします。

見えない部分のワイヤー類が消耗するとどうなるか、具体例を見てみましょう。⇓

錆びたインナーケーブル。アウターケーブルの内側に隠れている部分が茶色のサビが付着。
一見きれいに見えますが、シフトアウターケーブルのキャップを外してみると…
新品と比べてみると先端がかなり傷んでいます。
キャップが割れている場合も操作性能にはマイナス。さらに消耗すると、最終的にはアウターケーブルが破損してしまいます。
コチラはロードバイクのブレーキアウターケーブルの具体例。
普段見えない箇所ですが、使用していくうちに劣化していきます。

ということで、当然

ワイヤー類は消耗品です

…を前提に自転車のメンテナンスをする必要があります。

基本ワイヤー類は金属製なので、長期保管(良好な状態で)による経年劣化はあまりありません。どちらかというと「乗れば乗るほど」消耗していく部類のパーツです。使用頻度の多い方でしたら1年に1回程度の交換がおすすめです。ワイヤーが原因で動かなくなっている場合はもちろんですが、新品のワイヤーに交換することによって、「ブレーキ」や「シフト」の操作感が断然良くなります。

※交換作業工賃は1,500円/1ヶ所が標準費用です。ケーブルの値段はグレードがいろいろありますが、1,000円前後/1ヶ所あたりがスタンダードなケーブルの部品代金です。ただし、ワイヤー類は車種、モデルなどで大きく値段が違いますので、詳しい交換作業費用は個別にお問い合わせください。

『セットクリーニングコース』の紹介/「フレーム&ブレーキ周り」編

『セットクリーニングコース』は「①ギア周り分解洗浄(6,000円)」+「②ブレーキダストクリーニング(1ヶ所2,000円)」+「③フレームクリーニング(13,000円)」の3つのメニューを同時に行う洗浄メニューです。①、②単品メニューでも分解作業を伴うので、セットで承わる場合は割引の料金設定にしています。同時に行った方がお得な料金設定になります。クリーニング(洗車)関連メニューの詳細はコチラ。ケーブルやブレーキシューを交換するタイミングの「セットメンテナンス」や「オーバーホール」時に一緒に実施する方法もおすすめです。

セットクリーニングコース…12,000円(税抜)

≪基本的な作業工程のご紹介≫

まずはギア周りを分解して洗浄を行います。詳しい作業内容は前回のブログ(ギア周り分解洗浄編)をご覧ください。

ギア周りをすべて外した状態にしないと結局フレーム全体のクリーニングもできません。セットクリーニングコースの料金設定を割引でお安くしているのは、この状態でフレームのクリーニングができるからです。

「サビ」は落ちませんが、黒いベットリとした「油汚れ」はきれいに落とせます。

次にブレーキ周りをきれいにしていきます。リムブレーキにしても、ディスクブレーキにしても、パッドが削れることによって飛び散ったその汚れがフレーム付着します。いわゆるブレーキダストです。この汚れはフレームにしっかりとこびりつきますので、油汚れを分解するクリーナー系の溶剤では落とせません。コンパウンド系のクリーナーを使ってクリーニングをしていきます。

そして、フレーム全体をきれいに掃除していきます。代表的な場所の「ビフォー&アフター」例の写真です。フレームの塗装の種類や汚れの状態によって、複数のクリーナーを使い分けて作業をします。

クリーニング作業が完了したら、簡易ガラスコーティングを施工します。

大きなキズは消せませんが、微キズなら目立たなくなります。

グロス系(ツヤ有)塗装の場合、新車のような輝きが復活できます。最近はマット系(ツヤ無)塗装も流行っていますが、この種の塗装の場合はビフォー&アフターが作業例の写真ようにはならず、効果が分かりにくいです。ただ、コーティングすることによって汚れが落としやすくなりますので、日頃の掃除が楽になると思います。※当店で行っているコーティングは簡易施工のタイプです。

※納期は「セットクリーニングコース」の場合2~3営業日目安でお願いします(ただし、要事前予約相談でお願いします)。

『セットクリーニングコース』の紹介/「ギア周り分解洗浄」編

今回はメニュー表(下記)の「①ギア周り分解洗浄」の具体的な作業内容の紹介です。

バイシクルサポートの洗車関連メニュー

ギア周りは汚れが溜まりやすい代表的な箇所。こまめに掃除をしていても、入り組んだ狭い所に油の黒い汚れがいつの間にかに付着しています。チェーンを介して繋がっている構造なので、「チェーンだけ」「ギアの歯だけ」を掃除しても他所から汚れを拾ってきてしまって、なかなかきれいになりません。こういった汚れをリセットできるのが「ギア周り分解洗浄」での作業内容です。

基本的な作業工程のご紹介

「チェーン」「スプロケット」「クランク&チェーンリング」「プーリー」
を取り外して個々に分解洗浄を行っていきます

チェーンを洗浄します。状態が悪い場合には「チェーン交換 (別途費用) 」をおすすめするケースもあります。

スプロケットを洗浄していきます。

クランクを外してチェーンリングを分解洗浄します。

リアディレーラーのプーリーも取り外して洗浄します。

左:洗浄前/右:洗浄後

洗浄が完了したら、必要な箇所に注油を行って再組立てをします。

ギア周り分解洗浄…6,000円(税抜)

※納期は基本1~2営業日で仕上がります(ただし、要事前予約相談でお願いします)。

『全体メンテナンス作業』のご依頼実績を集計してみました

※クロスは「クロスバイク」カテゴリーです

昨年の開店当初からの集計ではありませんが、作業明細の納品書のフォーマットが固まってきた「昨年秋頃から2020年9月までの約1年間」の「ご依頼作業の実績」をまとめてみました。

今回の集計の対象となるのは作業明細の納品書を発行している下記の「全体メンテナンス系の作業依頼」です。

  • 各種セットメンテナンス(A~Cの3コースが集計対象)
  • オーバーホール作業
  • フレーム交換&0分組立
  • 及び、これらの作業に準じるご依頼作業

※軽作業(定期点検、パンク修理、タイヤ交換など、当日仕上げの簡単なメンテや修理作業)は今回の集計実績には入っていません。

やはりそうなると圧倒的に「スポーツ車」系の作業実績が多く反映された件数の構成比になりますね。日々のパンク修理など軽作業のご依頼は「シティサイクル」や「電動アシスト車」が目立ちますが、本格的な全体メンテナンスとなると「ロード系(シクロ車やTTバイクなども含むと)」が半数以上の構成比率です。「クロスバイク系」の作業依頼も意外に私の予想より多く、大事にメンテナンスをされて乗っていらっしゃる方が多くなってきているのではないかと思います。スポーツサイクルにとってメンテナンスは不可欠ですが、使用頻度の違いなど車種別の特徴の違いが反映されていますね。集計には反映されませんが、「シティサイクル」や「電動アシスト自転車」でも「前後タイヤ&チューブ交換」+「全体軽点検」がスポーツ車でいう「オーバーホール系」作業に相当しますので、これらの車種がメンテナンスに対する意識が低い訳でもないとは思います(この辺の車種カテゴリーはもともとメンテナンスフリーな構造が多いため簡易作業で済むケースも多いです)。

昨年秋ごろから2020年9月までの 集計データです

メーカー別では「スペシャライズド」「キャノンデール」「ジャイアント」が上位にランクイン。全体としてはヨーロッパ系のローバイクメーカーもご依頼の件数が多い印象。こちらは全カテゴリーの車種をまとめて「メーカー別に集計」した実績です。

「キャノンデール」は90年代~2000年代前半のマウンテンバイクのオーバーホールがけっこうありました。「MADE in USA」時代のオールド世代が今でも大事に所有されていますね。「その他(国内)」はクロモリ系のオーバーホールも目立ちます。

意外な結果としては、あの「キャニオン」が今のところ1台もありません。もちろん日々の軽作業での作業依頼では「キャニオン」ユーザーの方もご来店いただいたことがありますが、オープンして1年数ヶ月、まだオーバーホール系のご依頼はありません。※当店では「キャニオン」の作業依頼をお断りすることはありませんのでご安心ください。

男女別比率ですが、現在の日本のサイクリスト人口の比率を反映したような感じですね。これも日々の軽作業のご依頼を含めると、確実に女性の方の割合は大きく増えると思います。「クロスバイク」などの軽作業依頼では女性の割合も高いですし、「3人乗り電動アシスト自転車」では当然ほとんどが女性のお客様です。女性のサイクリストは年々増えてきていますので、この比率でも昔に比べるとかなり女性ユーザーのの比率は高いのではないでしょうか。

バイシクルサポートは車種カテゴリーを問わずに、幅広く対応している自転車のメンテナンス専門のお店です。日常のちょっとした修理から本格的なオーバーホール作業までお気軽にご相談ください。日頃、多くのご依頼ありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。(バイシクルサポート 代表 寺村 孝)

『人見街道』と『自転車』と『道の話』

自転車で走りやすいとは言えない人見街道。むしろ自転車にとっては「酷道」といってもいいくらいです。車の運転でもかなり気を使います。抜け道として利用する車が多く時間帯によっては交通量もけっして少なくありません。走りやすくない一番の理由はその「狭さ」。おまけに直線的な道でなく、曲がりくねっていて見通しの悪い区間も多くあります。

近年の区画整理から取り残された残念な道路ではありますが、趣のある捉え方をすると「古く歴史のある道」なのです。昔ながらの道、それ故、この「狭さ」、仕方がないことでしょう。杉並・大宮八幡と府中市八幡町を結ぶルートで古くからの参道としての役割が人見街道の発祥とされています。並行して走る東八道路が広くきれいに整備されているので、いまさら人見街道の区画整備は期待できませんが、せめて電柱だけでも地下化してくれないですかね。

自転車にとっては路肩が広く整備された道路の方が確かに走りやすいに違いありません。一部の「歴史のある道」好きな人(や古道マニア)しか賛同してくれないかもしれませんが、個人的にはこういう走りにくい道って「風情」があって案外好きです。この手の道沿いには、史跡や神様仏様系の云われのありそうな祠的な物が多く残っています。こういった類の物って、道路を整備しようとしても簡単には移動させられないケースが多いようで、そこを避けるように道が通っていたりします。路面の勾配や道路がカーブしている理由を地理的&歴史的観点から考察するとおもしろいですよね。上り下りもそうですが、こういった道の状況を実際に体感し易いのが自転車で走ることの一つの楽しみだと思います。

サイクリングルートでマイナーな「林道」や「古道」を地図を見ながら探す時には神様仏様系物件の目印はかなり需要です。コンビニやGSも代表的な目標物ですが、廃業等で無くなってたり、移転していたり、新規開店していたりで、意外と不変的な目印ではありません。その点では神社やお寺などは滅多なことでは場所が変わらないので、特にグラベルライドやトレイルライドなどで目指す道の入り口を探す時の目印として非常に役立ちます。「神社が見えたら1本先の道を左に曲がる」といった目印として私はよく使います。

ということで、人見街道が直線的な道でないのは古くからの道がそのまま残っているからなのでしょう。バイシクルサポートの所在地は「人見街道と東八道路最接近場所」のすぐ近くです。そこにある「玉川上水沿いの大ケヤキ」も古くからの「云われ」があってがたぶん簡単には伐採できないんじゃないかと思います。根元になんか古そうな庚申様の祠が祀ってあるし…。コレを避けるように両側の道路(「人見街道」と「東八道路」)が通ってますよね。東八道路開通に合わせて、セブンイレブンは移転したけど、祠はそのままです。

庚申様の祠。移転直後のためコンビニの看板が2つ。

※当店への自転車でのアクセス方法のご案内

お店横(三鷹側)の側道は、「東八道路」につながってます。車では通り抜けできませんが、徒歩&自転車なら通り抜けできます(ショップ情報のページに詳細地図あります)人見街道を避けてアクセスしたい場合には東八道路からも自転車なら通れる路地があります。

洗車サービスもあります。

※詳細はお気軽にお問い合わせください

代表的な「洗車」関連メニューを抜粋してみました。 セットメンテナンス作業やオーバーホール作業などを行う際に同時に施工している ケースが多いのですが、ご注文はクリーニング作業単品でも承っていますので、今回はそのご紹介です。

「①ギア周り分解洗浄」はけっこう人気のメニューです。ギア周りは分解しないとなかなかきれいにならない場所ですので、一斉に分解して洗浄してしまった方が確実にきれいになります。クランク・チェーンリング・Rメカのプーリー・スプロケット・チェーンを取り外して洗浄します。

最近では設備の整った自転車の「洗車専門業者」さんも各地にオープンしてますね。それだけ需要があるということなのでしょう。専門的にされているショップさんのホームページなどを見ると、さすが本業、 すごくハイスペックな洗車関連設備が整ってますよね。当店はそれに比べるとかなりアナログな感じの作業ですが、人力(私の手作業)でせっせとお客様の自転車を磨かせていただいております。もともと、各種メンテナンス&再調整がメインの目的の作業工程の中で行っている「クリーニングサービス」ですので、「分解ついでにキレイにしてしまおう」というスタンスでの作業のため、その点はご了承ください。クリーニングすることによって走行性能の回復に役立つことも多々あります。 そういった意味でも洗車はメンテナンスの大事な一つの要素です。もちろん、見た目にもピカピカになるように、アナログ技術なりに心を込めて掃除させていただきます。

「セットメンテナンスA.プレミアム25,000円」にはメニュー表の「①+②+③のセットクリーニングメニュー」が含まれています。仕上がりとしてはおおむねご好評をいただいております。「基本消耗品交換+全体クリーニング」で愛車をリフレッシュしたい方に一押しのメンテナンスメニューです。

また、各箇所汚れの具合(&消耗具合)によっては、パーツ交換の方が効果的なケースもあります。具体的には実際にバイクを拝見させていただいて、総合的に判断をして各プランをご提案しております。代替パーツで対応できるものなら、研磨などのレストア作業よりも、新しい部品と交換してしまった方が、現実的には費用が安く上がります。この辺りはユーザー様によっていろいろと事情が違ってきますので、用途やご予算だけでなく、「思い入れ」なども伺って判断の材料にさせていただいております。

ケミカル類、掃除用品も販売してます。

日頃のご自身でのクリーニング作業はもちろん重要。店頭には日常的に行う洗車グッツも取り揃えていますので、使い方などよくわからないことがあれば、ご遠慮なくご質問ください。「日々の自分での自転車の掃除」+「定期的なショップでの本格的なクリーニング作業」をうまく組み合わせて愛車をキレイに保ちましょう。

納期は、オーバーホールやセットメンテナンスとの同時作業であれば、それぞれの作業納期に準じます。「セットクリーニングコース」は2営業日(要予約)程度で仕上がるかと思います。作業スケジュールのご相談は、いずれにしても事前見積に一度ご来店していただけると助かります。

『オーバーホール』それとも『新車に買い替え』?

比較して天秤にかけると…

フル作業でのオーバーホールのご依頼が、いわゆる「高級車」だけかというと、意外にそんなこともありません。

オーバーホール基本工賃(全作業)…35,000円(税抜)

  • フレーム、個々のパーツに分解して洗浄→再組立て
  • 各所グリスアップ作業
  • 消耗部品の交換(パーツ代金は別途)
  • 各所再調整作業

基本料金には上記の内容が含まれます。追加でアップチャージが必要になるケースとしては「油圧ディスクの作業」「ホイールの再組立て作業」「再塗装や再メッキ」「サスペンションのOH」「特殊クリーニング作業」などがあります。一般的な消耗品代金を含めて標準的な作業で済むケースでしたら、おおむね5~7万円程度が相場になるかと思います。ただ、状態によって作業内容がかなり異なりますので、詳細は個別お見積もりで相談後、確定となります。

費用の面からすると「新車への買い替え」「コンポーネント一式載せ替え」を検討していただいた方がいいケースも現実的にはあるかと思います。ただ、ユーザー様の長年使用している愛車への思い入れの要素があったりすると、値段の話だけでないこともしばしあります。私の方からは対応年数や安全性の観点からのアドバイスはさせていただきますが、個々の事情(所有し続ける理由、今後の使い方、etc.)をお聞かせいただけるとより総合的な判断ができるかと思います。

単純に「5万円」で購入した自転車でしたら、「作業工賃+パーツ代金=合計5万円」となると、やはり買い替えを検討される方も多いかと思います。しかし、値段以外の要素「思い入れ」や「思い出」、今では手に入らない「希少性」などの理由で、購入金額以上の費用をかける方もけっこういらっしゃいます。ご予算等も含め、ご希望を伝えていただければ、いろいろと相談に乗らさせていただきます。

※本格的なフル作業のオーバーホールまで必要ない状態でしたら、『セットメンテナンス』コースもご案内しています。こちらはパーケージで作業をする「パーツ代金込み」のお得な料金設定です。パッケージ作業なので、作業時間も短期間で可能です。通常の使用でも1~2年に一度は「基本的な消耗品(ブレーキパッド、ケーブル類、チェーンなど)」の交換が必要です。この辺りの部品交換を中心にコースメニューをご用意しています。「ロードバイク」ユーザーにはもちろんですが、料金設定的に「クロスバイク」ユーザーや一般の「シティサイクル」にも最適です。

ブレーキパッドの交換時期

ようやく梅雨も明けて本格的な夏になりました。今年は雨がしっかりと降る梅雨が続きましたね。雨の日に自転車に乗ると「ブレーキパッドの減りが早い」ことをご存じですか。車輪のリム側面にブレーキパッド当てることによって自転車は止まります。その時の摩擦で、リムとブレーキパッドはだんだんとすり減っていきます。

リム=金属

ブレーキパッド(ブレーキシュー)=ゴム

※ディスクブレーキは構造が違います。

ですので、一般的には柔らかい材質のブレーキシューの方が早く摩耗します。使用頻度、乗り方にもかなり左右されますが、ブレーキシューは消耗パーツの中でも交換のタイミングが早くやってくる部品の一つです。特に制動力が強い「Vブレーキ」などは思いのほか早く擦り減ります。

特に雨の日は要注意です。耐水ペーパーでヤスリがけをする時、乾いた状態で削るのと、水を付けて削るのでは、削れるスピードが違う経験があるかと思います。水が付いている状態(雨の中の走行)だと、条件によっては通常の何倍もブレーキシューが摩耗してしまうことがあります。雨の日に頻繁に自転車を使用される方は交換のタイミングにはご注意ください。早いケースだと3か月くらいしか持たないケースもあります。

それと交換のタイミングは擦り減って残りが「ゼロ」になってからではなく、残量に少なくなったら早めに対応しておきましょう。

★車種別の代表的な交換例です。価格は税抜き。

左/擦り減った「Vブレーキシュー」 右/新品

Vブレーキシュー交換の費用(1ヶ所)

■シマノM70T3 916円

■交換作業工賃  1,500円

合計 2,416円

主な採用車種:クロスバイク、MTBなど

左/擦り減った「一般車用シュー(アルミリム用)」 右/新品

一般車シュー交換の費用(1ヶ所)

■YSBアルミリム用 600円

■交換作業工賃  300円

合計 900円

主な採用車種:シティサイクル全般のフロントブレーキ

ロードのキャリーパー/カートリッジ式

ロードシマノ105現行モデル交換の費用(1ヶ所)

■シマノR55C4 795円

■交換作業工賃  1,500円

合計 2,295円

主な採用車種:シマノカートリッジ式のロードリムブレーキ全般

※ディスクブレーキのパッドも各種在庫してます。工賃は基本2,000円です。詳細在庫はお問い合わせください。

ギア比について、あれこれ。

オーダー車やセミオーダーシステムの完成車でない限り、購入時には選べません。その自転車の用途やメインターゲットのユーザー層を想定してアッセンブルされています。

ギアの歯数の組み合わせ変更は、よくご相談を受ける作業の一つです。個別のカテゴリー(例えばロードレーサー/シマノ2×11段の場合など)に限定すると解説するポイントが絞れますが、自転車全般のギア構成となると、いろんな周辺パーツの基礎講座から学ばなければなりません。いわゆる「互換性」が多岐に派生して行きます。興味ある方はコツコツと調べてみましょう。

ということで、全てだと大変な解説になってしまうので、今回は基本的なポイントを箇条書きで。

■ギアの段数によって制約があります。

シングルギア、内装or外装、1×〇段、2×〇段、3×〇段、etc.

基本、同じ段数の部品の中で選ぶ必要があります。ただし、モデル(異なるメーカー、構造の違い、など)によっては同じ段数でも互換性がなかったりします。また、段数自体を変更する場合はもちろん全交換が基本ですが、どこまで互換性に影響を受けるかで必要な費用が大きく変わります。

■車種のカテゴリーによって制約があります。

ロードレーサー、マウンテンバイク、普通の自転車、etc.

フレーム設計時に使用するコンポーネントカテゴリーが想定されています。逆に言うとコンポーネントはフレーム設計を基に作られています。チェーンライン設定やフロントチェーンリングの大きさのクリアランスやリアエンド幅(形状)などが影響してきます。クロスバイク小径車など折衷的な設定がされている場合があったりして、複雑なケースもあります。

■キャパシティ(歯数の組み合わせの限界)があります。

多段ギアでの場合ですが、リアディレーラーが作動できる歯数の範囲があります。単純にリアディディレーラーが対応するロー側最大の歯数トータルキャパシティといわれるフロント多段の場合の限界値。また、フロントディレーラーも対応するチェーンリングの歯の大きさの範囲が設定されています。ただし、フロントは現実的には、楕円ギアだったり、サードパーティの特殊な大きさだったり、範囲外でも何とか調整せざるを得ないケースもあったりします。

※トータルキャパシティ=(フロント最大ギア-フロント最小ギア)+ (リア最大ギア-リア最小ギア) 。例えば、フロント50-34T×リア11-28Tなら(50-34) +(28-11)=「33」がトータルキャパシティ。

■そもそも自分に適正なギア構成は?

  • 自転車を使用する目的
  • 体力・脚力でかなり個人差があって正解はない
  • 漕ぎ方のスタイル
  • 基本は車種にあったギア比の範囲で

といったところでしょうか。単純に「登りがつらいから軽いギア比が欲しい」はプランが提案し易いです。ただ、スピードを出したいといった場合(小径車以外で)、ギア比はペダルの回転数と密接に関わってきますので、まずは自分のペダル回転数を見直してみるのもいいかも知れません。※その場合、ペダル回転数計測できるメーター必須。

ギア回りの交換作業のご相談のご依頼は…

まずは現状の実車を拝見させていただいた方が助かります。オーソドックスなケースは判断し易いのですが、変則的な場合「メーカーさんの提供している規格データ」&「対象の自転車のサイズ規格」を確認しながらのお見積り作業になります。

クロスバイクに『カゴ』を取り付ける

憧れのカッコいいスポーツサイクルを購入。「あれ?、なんか今までの普通の自転車と違う」と思うことの1つ、「カゴがない、荷物はどうしよう…」

普通のシティサイクルでは標準装備ですが、クロスバイクには付属していない部品がたくさんあります。

  • 前カゴ
  • スタンド
  • 泥除け
  • ライト
  • カギ

この辺りが代表的なところでしょうか。クロスバイクでも中には標準装備の完成車モデルもあったりしますが、そのほとんどがオプションパーツとして別に購入しなければなりません。「フロントライト」は車両として必須のアイテムなので、ほとんどの方が取り付けるかとは思いますが、その他のオプションパーツはクロスバイクを使う目的によって必要性のある方のみが選択して取り付ける場合が多いでしょう。

「実用性」を求める方(普段使い、お買い物用、通勤通学用など)はやはり普通のシティサイクルに近い装備が必要になってきます。逆に「スポーツユース」を求める方はこういった実用的なオプションパーツは無い方が逆に使い勝手が良かったりします。

そこで「前カゴ」ですが、クロスバイクとシティサイクルでは車体の構造が根本的に異なりますので、取り付け方法の要領も違ってきます。

シティサイクルの場合、もともと前カゴありきの設計ですので、一般的にはこのように前カゴが取付されています。

大きめのカゴがつけやすい(カゴの耐荷重の優位性)、走行時の安定性、ライト(前照灯)との組み合わせ、しっかりとしたスタンドがあるので駐輪中に倒れにくい、等々、やはり使い勝手ではシティサイクルに分があります

それに対しクロスバイクの場合、カゴの取り付けスペースに制限があるため、原則「クロスバイク向け商品」のカゴを選ぶ必要があります。車輪の固定方式もクイックレバー式が主流なので車軸にカゴ足の取り付けもできません。

取付方法①…カンチ/Vブレーキ台座を利用

esss『ATB-3ワイヤーカゴセット』
3,950円(税別・取付工賃別途)
カンチ・Vブレーキ台座+Fフォークブリッジのセンター穴の
3点で取付台座を支えます

最近はディスクブレーキ採用のクロスバイクも増えてきていますので、その場合カンチ・Vブレーキ台座の無い車種もあります。そういった場合はハンドルバーにアダプターをつけてカゴを取り付ける商品もあります。※また、カンチ・Ⅴブレーキ台座のないモデルの場合、「リアキャリア+後カゴ」も検討していただけるといいかと思います。

取付方法②…ハンドルバーに専用アダプター式

「KLICKFix」システム採用の代表的なメーカー「リクセンカウル」
リクセンカウル『フロントアタッチメント』KF810
2,500円(税別・取付工賃別途)
このタイプのカゴはアタッチメントだけを残して
カゴの着脱がワンタッチで可能です

このタイプの商品だと着脱が容易なので、時々しかカゴを使わないという方でしたら、普段はカゴを外して走行できるというメリットがあります。ただ、このタイプはハンドルでカゴを支えるため重心が上にきますので、走行時の安定性では不利になります。荷物が少なめの方でしたら、小さめのサイズのカゴがおすすめです。

リクセンカウル『ミニバスケット』KM826
4,200円(税別)
サイズW29×H19×Ⅾ20㎝

※取付工賃は車種やカゴのタイプによって異なります。一般的には500円~2,000円程度が目安です。

ロードバイクのパーツをグレードアップする目的

入門クラスの初めて買った『ロードバイク』。デフォルトの仕様で乗りだしたけど、雑誌やインターネットの豊富な情報を見ていると、いろいろとパーツを替えてみたくなってきますね。そんな方にアドバイスです。何を基準にパーツを替えたらいいのかをまとめてみました。

★とにかく欲しい!!

まずは、モチベーション。いろいろ吟味して選ぶ場合もありますが、初心者の場合、自分が気に入ったパーツをまずは試してみましょう。とは言っても、あまりにも方向性が違ったらパーツが生きてこないので、最低限は調べてくださいね。

★見た目のカッコよさ

やっぱり、自分の自転車をカッコよくオシャレにしたいですよね。カラーリングを含めて見た目が気に入ったパーツを選ぶことも満足度に繋がります。一応、セオリー的なこともあります。「最近のカーボンフレーム…黒系の部品が似合う」「クラシカルなフレーム…シルバー系の部品が似合う」とか。また、採用する部品メーカーの組み合わせも、「チームレプリカ的考察」「ハンドルとステムは同じメーカーの同じモデルだとデザインが揃う」などなど。ただ、こういったセオリーにこだわらなくても、センス良く仕上げているバイクの方も多くいらっしゃいます。「自分なりのこだわり」でパーツを選んでみましょう。

★乗り手とのマッチング

初心者の方の場合、経験的な判断材料がどうしても少ないので、前述のように気に入った部品を試す感覚でパーツのアップグレードをした方が、満足度は高いかと思います。ただ、経験とともにパーツの特性を理解してくると、「乗り手の特徴=パーツの特徴」が噛み合っていることが、パーツ選択のポイントとして重視されてきます。

「このパーツで走った感じいいね」の感想でも人それぞれ「いいね」の基準が違います。「速く走りたい人」と「のんびり走りたい」とでは、当然パーツに求める要素も違ってきます。

「乗り手」とのマッチングを一覧表にすると、
こんな感じでしょうか。

例えば、「速く走りたい」目的なのに、「ブレーキ」を交換しても直接的には成果につながりません。初心者なのでビンディングペダルを使っていないという場合、ビンディングペダルを採用するだけでかなり効率的な走りができます。自分が不満を感じていることにフォーカスしてグレードアップしていくことが重要です。

★コストパフォーマンス

実際に採用するかの判断の基準になるのが対費用効果でしょうか。特に、「軽さ」「剛性」「速さ」あたりを求めると、乗り物の世界、すごくお金がかかります。選手供給しているようなハイエンドパーツはメーカーの開発コストもかなりかかってますし、自分で購入して使用する一般ユーザーにとっては大変です。

★家族の理解

そして、最大の難関がコレだったりします。お客様から「パーツ替えたこと家族に内緒にしといてね」とか「家族から、自転車の部品でなんでこんなにお金がかかるのって、言われた」等々の声をよく聞きます。趣味の世界、何でもそうですけど、実用の世界の基準と比べられるとつらいですね。

ロードバイクのパーツのグレードアップでご相談がありましたら、お気軽にご相談ください!!(もちろん、他の車種も)

「メーカーのセールスポイント」「雑誌やインターネットの情報」などの一般的な情報。「自分の経験値」「周辺(お客様や取引先の方々)からの実際の」この辺りの情報源があるのがショップならでは強みですので、一般的なインプレ論と経験的な感想は分けてお伝えするようにしています。

『セットメンテナンス』自己診断チャート

「しばらく乗っていなかった自転車」のメンテナンス依頼の相談。もちろん専門分野ですので、どんな状態でもご遠慮なく、お気軽にご来店ください。

ロード、MTB、クロスバイク、もちろんシティサイクルもOK。 車種に合わせた個別の対応可能です。「ご予算優先」「思い入れ優先」その辺りのご希望も重要なポイントです。当然、保管状態があまりよくないケースや相当昔の物だったりすると、それなりのご予算が必要になりますが、安全性に問題がない範囲で可能な限り対応させていただきます。

「ここ1~2年くらい使う機会がなかった」「10年以上放置したまま」しばらく乗っていなかったといっても、いろんなケースがあるかと思います。製品としての対応年数、補修パーツの供給状況などを考慮して復活プランをご提案しております。

基本の料金設定は、『セットメンテナンス各コース』『オーバーホール』の作業内容をベースにお見積りする場合が多いので、下記料金を参考にご検討ください。

セットメンテナンス各コース(詳しくはコチラ)

A『プレミアム』29,700円~

B『スタンダード』17,600円 ~

C『スタンダード』13,200円 ~

Ⅾ『クイック』6,600円~

E『安全点検』3,850円

オーバーホール基本料金(個別見積り)

フル作業の目安…基本作業工賃 35,000円~ + 必要なパーツ代金

※オーバーホール作業は必要箇所のみの個別作業も可能です。

⇓簡易的な『自己診断のチャート表』です⇓

※消耗具合、劣化の程度の最終的な判断には
対象の実車を拝見させていただく必要があります

『セットメンテナンス』の事前見積の来店予約は各店のFacebookページからもご予約可能です。※「オンライン見積」のツールはありませんが、「自転車の状態がわかる写真」や「具体的な不具合箇所のコメント」を Facebook のメッセンジャーアプリで送っていただければ、個別に「暫定のお見積り」も回答しております。

久我山店facebookページ

■東東京店facebookページ(現在準備中です)

電動アシスト自転車のタイヤ

電動アシスト自転車のタイヤ交換は専用品がおすすめです。

サイズ規格上は一般のシティサイクル用のタイヤでも電動アシスト自転車に取り付けることは可能ですが、車体重量のあるアシスト車の場合はタイヤへの負担が大きいため、専用商品は耐荷重を考慮して作られています。

IRCの電動アシスト車専用タイヤ
写真上…「足楽」/写真下…「足楽プロ」

トレッドのデザインは基本同じですが、
「プロ」さらに耐摩耗性を強化したトレッドゴム採用

少しお値段は張りますが、IRCのアシスト車専用タイヤシリーズは「MADE in JAPAN」の安心感。(※付属チューブは海外製ですが、肉厚の丈夫なタイプです)。アシスト車向けに最適化された非常によくできた商品だと思います。このカテゴリーのタイヤはIRC 商品を中心に在庫をしています。下記、在庫アイテム参照。

※常時在庫アイテムも在庫数はそれほど多くはありませんので、
お急ぎの場合は必ず事前にお問い合わせください

子供乗せ仕様車の電動アシスト自転車は「20インチ小径モデル」が主流になっいます。ブリヂストンの『ビッケシリーズ』やヤマハの『PASS子供乗せシリーズ』にはブロックパターンの独特のデザインのタイヤが採用されていますね。メーカー純正品やIRC足楽の20インチはもちろんおすすめですが、サードパーティ製でこんなタイヤもあります。「CSTのプレッピー」(下の写真)。純正品とそっくりなデザイン、もちろん電動アシスト自転車向けタイヤ。お値段はチューブ付きで3,000円(税抜)/1本とお手頃。

CSTのプレッピーシリーズ

また、「E-bike」と呼ばれるスポーツサイクルカテゴリーの電動アシスト車ラインナップも最近では増えてきていますね。そういった流行の昨今、シュワルベの耐久性のあるタイヤ商品群には「 E-bike レディ」ってネーミングが付くようになりました。専用の新たな商品だけでなく、既存の商品でも 「E-bike」 に向いているタイヤにそういう呼称をつけているようです。 「E-bike」はシティサイクルに比べると、かなり車体重量の軽量化が実現されていますが、やはりタイヤに負担がかかることを考慮してタイヤをチョイスすることがおすすめです。

従来品のマラソンにも「E-bike READY」のラベル

電動アシスト自転車のタイヤ交換作業工賃

フロントタイヤ…2,000円(税抜)

リアタイヤ…3,000円(税抜)

※上記の料金設定はシティサイクル全般(子供乗せ専用車なども)が対象です。

※スポーツサイクル系は工賃が異なる場合があります。

ロード完成車考察~ブレーキアーチ編~

ブレーキセットだけ「シマノ」じゃない…、なぜ?

エントリーモデルのロードレーサーについて。初めてロードレーサーを購入された多くの方は「10万円~20万円価格帯の完成車」って予算条件で探されたのではないでしょうか。この「10~20万円」の定番価格帯は購入時に「コスパ」の条件が一番重視されるカテゴリーだと思います。この価格帯のロードでコンポーネント(以下コンポ)がシマノだと、アルミモデルで10~12、3万だとSORA仕様、12、3万~15万だとティアグラ仕様、15万~は105仕様。最近はカーボンモデル+ティアグラ~105仕様辺りで20万前後なんてラインアップもあったりします。

初めてのロードでフレームの好みって正直難しいですね。それに比べてコンポの違いは割と初心者でも体感できる側面があるので、無難なフレームでコンポにこだわった選び方をアドバイスする考えが主流だと思います。

作り手(メーカー)側の事情もエントリーロード完成車ではコストの面(コスパ)が重視されています。初めてのお客様がより購入しやすい値段で提供することがライバルメーカーとの差別化になってたりします。完成車メーカーにとって「シマノ」コンポ採用は高品質であるとユーザーに訴求しやすく、 一般的に高評価ポイントになります 。一方、シマノに対抗すべくアジア系のパーツメーカーも完成車市場ではかなり頑張っています。これらのメーカーがシマノより安く完成車メーカーにパーツ供給をしています。ブレーキ周りは容易にコピーが可能?なのか、シマノクオリティに遜色がないアジアメーカー商品がけっこう完成車に採用されています。そして、コストのバランスをトータルでまとめて、エントリー向け価格帯の商品が出来上がっているのです。

シフターやディレーラーなど駆動系パーツは比較的シマノにこだわってアッセンブルしているモデルが大多数ですね。やはり駆動系は品質&コスパともにシマノが抜き出ている印象がありますね。しかし、シマノ105仕様だけどブレーキアーチだけアジアメーカー、意外にこのクラスでは多い完成車スペックです。逆にフルスペックでシマノ仕様のメーカーはこのアッセンブルをセールスポイントにしてますね。ロードディスク化の流れといっても、エントリークラスではまだまだリムブレーキ主流ですし、こういった組み合わせの完成車スペックに乗っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

現在の自分の完成車スペックからグレードアップをと検討中の方へ。ブレーキシューがすり減って交換するタイミングで、「ブレーキアーチ」をシマノ化することがおすすめです。ブレーキ周りは少しの金額投資で性能の違いが体感できるパーツですよ。もちろんシマノパーツであっても上のクラスにグレードアップするのもおすすめです。


私のフィーリングによる現行シマノブレーキアーチ評価


クラリス&SORA…アジアメーカーよりは調整しやすいけど制動力は、劇的には変わらない。
ティアグラ…高級感は無いけど一昔前の7700世代のデュラエースくらいの性能がある。
105…剛性感があきらかに違う。抜群の制動力。アーチを交換するだけでもブレーキの性能が断然違う。
アルテグラ&デュラエース…現行105~デュラは大枠では同じ形状タイプが採用されてます。アルテ→デュラとグレードが上がるとマテリアルの品質がアップ、剛性もさらに増して、仕上げに高級感もある。ただ、当然、価格もかなり上がります。

※あくまで私個人の感想ですので、科学的データ等の根拠に基づいた評価ではありません。


高頻度でしっかり乗る方であれば、いずれブレーキシュー交換のタイミングが来ます。その際、工賃込みでシュー交換4~5,000円程度かかるのであれば、プラスαでブレーキアーチのグレードアップを検討されるのもありだと思います。

≪交換作業一例≫

シマノ105 ブレーキアーチ BR-R7000ペア 9,074円

ブレーキアーチ交換作業工賃(前後) 1,500円×2

合計費用 12,074円(税抜)