地味だけと重要なワイヤー類の話 その①

ほとんどの自転車では「ブレーキ」や「シフト」の操作は”ワイヤー(ケーブルとも呼びます)”を手元のレバーで動かして行います。

一度セッティングしてしまえば永久的に使える物であればいいのですが、そうはいかないのがワイヤー類の構造の特徴です。使用しているうちに少しずつセッティングがズレてくるので、ワイヤーの「張り具合(テンション)」を定期的に再調整する必要があります。また消耗する部品ですので定期的に交換が必要です。錆びてしまったり、変形してしまったり、ほつれたり切れたりすることがある部品です。

「シフター」と「ディレラー」を繋ぐワイヤー(ケーブル)の模式図

ワイヤー類の構成部品は、外側の「アウターケーブル」と内側の「インナーケーブル」とがあります。そして、ケーブルの末端にはそれぞれを保護する専用のキャップ取り付けられています(※キャップは仕様によっては必要ない場合もあり)。

明らかに見た目でわかる箇所が錆びてしまって動かない状態や、切れてしまっている場合などは、交換の時期の判断がし易いとは思いますが、意外と見えない部分が傷んでいたりして、シフトやブレーキの操作がスムーズでなくなったりします。

見えない部分のワイヤー類が消耗するとどうなるか、具体例を見てみましょう。⇓

錆びたインナーケーブル。アウターケーブルの内側に隠れている部分が茶色のサビが付着。
一見きれいに見えますが、シフトアウターケーブルのキャップを外してみると…
新品と比べてみると先端がかなり傷んでいます。
キャップが割れている場合も操作性能にはマイナス。さらに消耗すると、最終的にはアウターケーブルが破損してしまいます。
コチラはロードバイクのブレーキアウターケーブルの具体例。
普段見えない箇所ですが、使用していくうちに劣化していきます。

ということで、当然

ワイヤー類は消耗品です

…を前提に自転車のメンテナンスをする必要があります。

基本ワイヤー類は金属製なので、長期保管(良好な状態で)による経年劣化はあまりありません。どちらかというと「乗れば乗るほど」消耗していく部類のパーツです。使用頻度の多い方でしたら1年に1回程度の交換がおすすめです。ワイヤーが原因で動かなくなっている場合はもちろんですが、新品のワイヤーに交換することによって、「ブレーキ」や「シフト」の操作感が断然良くなります。

※交換作業工賃は1,500円/1ヶ所が標準費用です。ケーブルの値段はグレードがいろいろありますが、1,000円前後/1ヶ所あたりがスタンダードなケーブルの部品代金です。ただし、ワイヤー類は車種、モデルなどで大きく値段が違いますので、詳しい交換作業費用は個別にお問い合わせください。