ディスクロードのメンテナンス ~シマノ油圧DISCブレーキのオイル交換時期~

最近、ディスクブレーキ仕様のロードバイクのメンテナンス依頼が目立ってきました。市場にディスクブレーキ仕様のロードバイクが本格的に普及し始めて2~3年経ちます。そうすると期間的にそろそろ整備が必要なタイミングになってきているのでしょう。

多くのモデルは「油圧式」のディスクブレーキが採用されています。油圧と言う名前の通りに「オイル(油)」でブレーキを作動させているシステムです。(※油圧ブレーキに採用されているオイルは「フールド(圧力をかける流体)」と言う名称の方が正確かもしれません。この呼称もよく使われますが、ブレーキオイル=ブレーキフールド、基本的には同じものを意味します。)

その中でも代表的なのが「シマノ」社の商品で、流通シェア的も圧倒的に高く、多くのロードバイクに採用されています。シマノではすべてのモデル(ロードだけでなくクロスバイクやMTBなど含めすべて同じオイル)で「ミネラルオイル(鉱物系オイル)」という種類のブレーキオイルが採用されています。現在ロードコンポーネントではティアグラ、105、アルテグラ、デュラエースのグレードおいて油圧ディスクモデルがランナップされています。

シマノのミネラルオイルはメンテナンス性に優れ比較的オイル自体が劣化もしにくい特徴があります。そうは言っても永久的に使用できるものではありません、定期的な交換作業が必要です。一般に推奨されるのが2年に1回程度の交換(ハードに使用される方なら1年)頻度です。

シマノ105(BR-R7070)ブレーキキャリパー側のオイル交換時のセッティング風景
シマノ105(ST-R7020)デュアルコントロールレバー側のオイル交換時のセッティング風景

シマノ/ロードコンポーネントの場合キャリパー側からブレーキオイルを注入して、デュアルコントロールレバー側に専用の漏斗(じょうご)をセッティングして充填&エア抜き作業を行っていきます。

ノーメンテでかなり使い込んでしまった状態。真っ黒です。
新品の「シマノ/ミネラルオイル」の状態。きれいなピンク色

上の写真のような真っ黒な状態は極端な例ですが、時間が経つとオイルのピンク色が抜けてきて透明な色の液体に変わってきます。この色にはインジケーターの役割があって、このピンク色が抜けてきたら交換時期とされています。おおむねこの時期が1~2年。ただ、実際に外から見て確認できるものではありませんので、時間の経過を交換のタイミングの基準にした方がよいでしょう

※ちなみに「SRAM」社「DOT(ドット)オイル」で、新品時の色は写真のような状態です。シマノのミネラルオイルに比べて劣化が早く、こちらは最低でも1年に1回の交換が推奨です。

ブレーキオイルの交換のタイミング(2年以上経過時)ですと、ディスクブレーキ周り全体の調整&消耗部品(パッドなど)の同時交換が必要なケースも想定されます。個別に見積もりが必要な作業になりますが、整備費用は「ブレーキオイル交換」「ブレーキパッド交換」「ブレーキ周り再調整一式」の3点セット同時作業(←ブレーキ周りのオーバーホールに準じる作業)で1ヶ所1万円程度(前後で×2)が目安になるケースが多いかと思います。※パッド交換はグレードで部品の値段にかなり幅があります。※ブレーキローター側の摩耗も要チェックです。

リムブレーキと違って目に見えてパーツの摩耗が分かりにくいのが油圧ディスクブレーキの特徴。ブレーキパッドが擦り減ってもブレーキレバーの引きしろが緩くならないですし、ケーブルで引っ張ているのではないので錆びたたり切れたりして動かなくなることもありません。普段のメンテナンスの手間が省けるメリットがあります。一回あたりの整備費用はリムブレーキより高額にはなりますが、整備頻度はリムブレーキより少なくて済みます。ただ、ご注意いただきたいのが(特に不慣れな初心者の方)、ディスクブレーキの摩耗/消耗の限界を超えて使い続けてしまった場合(それでも乗っている本人は意外と気付かないまま)、コンポーネント本体を破損してしまって全換装作業が必要なんてこともあります。